「………ん」




12月25日、凍えるようにっていうと極端かもしれないけど、そんな寒さの中私は目を覚ました。



確か昨日はブン太と赤也を呼んで夜中までお酒を飲んで騒いでた気がする。
酔って「リア充爆発しろーっ!!」とか「もうやだ俺ここに住む」とか言い出すブン太や赤也に苦笑しながら「お前ら遠慮なかね。」と苦笑していた仁王をよく覚えてる。
その後二人が帰ってからはすっかり疲れてさっさとベッドに戻って死んだように寝たんだ。




「におー……」




仁王は私の彼氏で今は同棲中だ。


その割には私は彼を苗字で呼んでるし、クリスマスイヴだって二人きりでデートってわけでもない、微妙な距離感だけど。






着替えもせずのそのそと仁王の部屋まで歩いてく。がちゃり、とドアを開けるとやはり仁王はベッドの上で丸くなっていた。





「仁王ー」

「んー……なまえか…」

「そうそう。おはよ。」

「んー……」




お気づきの方もいると思うが、仁王は寝起きがすっっごく悪い。
なかなか起きてくれない。
寝起きが悪いと低血圧っていうけどどうなんだろ?
確かに仁王は血圧が高いふうには見えない。






「なまえなまえ、」

「ん?」

「あれ、」

「えっ」




仁王は急に私の名前を呼んだと思ったら枕元を指差した。





そこには綺麗にラッピングされた小さな箱があった。
もちろん中身は言われなくてもわかってる。











「メリークリスマス、なまえ」






寝ぼけ眼でそう言った彼が、私には世界で一番格好良く見えた。













「メリークリスマス、雅治!」





驚いて目を見開く彼に思いっきり抱きついた。





愛すべき低血圧彼氏
(でもどうせ枕元ならサンタさんっぽく私の枕元にしたらいいのに。)
(お前さんはどうせ起きたら真っ先に俺んとこに来るじゃろ)
(………そうだけど)








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