「なあ」 「こっち見んな」 「なあって」 「見んなって」 「…なんで?」 「…なんでも」 「もしかして照れてんの?」 少し馬鹿にしたように言われて思わず、照れてない!と膝をかかえて隠していた顔をあげてしまう。瞬間、バチリと垣根と視線がかち合ったので慌てて逸らす。 「…っ」 「あー。なんか調子狂うな」 「……うるさい」 「つか、顔赤すぎんだろ」 「うっ…うるさい!」 「言っとくが、俺は真面目に、本気で、言ったんだからな」 「………うん」 「まあ、それは伝わってるよな」 「……うん、」 「そうでなきゃ、んな顔真っ赤にして俺と目を合わせないようにしねーもんなぁ?」 「なんか……むかつく」 にやにやと笑う垣根を今度は睨み付ける。逸らしてなるものか、逸らしたら負けだと思いながら垣根の目をジッと見る。正しくは睨む、だが。 「んじゃもっかい言っとくわ」 「は、」 「なまえ、愛してる」 ボッ、と体温が一気に上昇した。なんでそんな言葉が簡単に出てくるのかふしぎだ。かきねの、ばか。
110225
|
|