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「ね、垣根」
「?」
「垣根は寂しくないの?」
「急になんだよ」
「いや、ふと思っただけなんだけどね」

一人暮らし寂しくない?もう一度、言葉を付け足して問う。ちなみにわたしは、一人暮らし寂しい。

「あー、どっちかっつったら、寂しいのかも…な」
「垣根でもそうなんだー」
「まあ、家になまえでも居たら寂しくねぇんだろうけど」
「……変態。そんな目で見ないでよ」
「どんな目だよ!べ、別にそういう意味で言ったわけでもねえっつの!」
「そういう意味ってどういう意味?」
「…ニヤニヤして言うなコラ」
「あはは、やんのかコラ!」
「マジでやってやろーか?」
「や、やるって何を…!か、垣根ってやっぱりへんた、痛ッ」
「お前のがよっぽど変態だ」
「そんなことないよ」
「女がそーゆーことあんま言うな。萎える」
「一生萎えてろ未元物質」
「冷てぇなオイ」
「…まあいいや。とにかく言いたかったのは、」
「おう…。…?」
「垣根と一緒に暮らしたい」
「………は?な、そ、それなんだよ…告白?ついに素直になったのか?」

別に告白じゃないし。食費厳しいのと家にひとりで居るの寂しいからってだけだもん。……まあ、それは言わないままうんうんそうそう、と頷いた。



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