「削板くん」 「なんだ」 「青春したい」 「すればいいじゃねぇか」 「できない」 「どうしてだ」 「うーん、青春する相手がいない」 「む?お前の考えてる青春とはなんだ」 「決まってるでしょ、恋よ恋」 「……恋か」 「削板くんは青春してる?」 「ああ」 「えっ!?」 「なんだ?」 「い、いや、意外だなーって」 「片想いだけどな」 「へえ」 「…なんだその顔は」 「か、片想いって、なんか似合わない…ぶふっ!」 「笑うんじゃねぇよ!お、オレは真剣に恋をしてだな…」 「真剣に恋…っあはは!」 「だーかーら、笑うんじゃねぇって!」 「あっはっは。ごめんごめん、削板くん」 「まったくお前は失礼なヤツだな」 「いやけど、うん、がんばれ削板くん!」 「…おう」 「はやく告白したら?振られたらちゃんと慰めてあげるし、うまくいったら祝福してあげるよ!」 「そうか、まぁ必要ねぇがな」 「えー」 「(オレが片想いしてんのはお前なんだから仕方ねぇじゃねえか)」 ずっと好きだと言えずに片想いするのはただの根性ナシだからな。いつかは言うけど、この鈍いのにオレの気持ちを理解してもらうにはまだまだ時間がかかりそうだな。
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