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※学ぱろ



「木原先生!」
「あ?」
「隙ありっ」
ひょい、とテストの採点中な木原先生から眼鏡を奪ってやる。ふふん!どうだ、やってやったぞ一方通行!「お前なンかがあの木原の邪魔なンて出来るわけねェだろ。まず無理だな、お前やったら死ぬぞ」とかなんとか言ってたね、わたしだってやれば出来る子なんだよ。明日来たら朝一番に報告してやろうじゃないか!にやにや笑って木原先生をみる。眼鏡を手にしたわたしを見て木原先生が眉を寄せた。ぶちっ、と何かの切れる音が聞こえたような気がしなくもないです。はい、そうです、わたしはすっかり忘れていたのです。
「なまえ、俺は仕事中だって見りゃ分かるよなぁ?」
「えっ!あっ、も、もちろん」
「眼鏡返せ」
「は、はい」
「イイ子だ。…さて、」
「!」
「コレ、課題追加だ」
これだ!これ!これを忘れてたのよ!お前やったら死ぬぞ、の意味を理解しましたよ一方通行。もっと詳しく言えよバカ!課題増えちゃったらもう手遅れじゃないの。ただでさえ今与えられた課題すらまともに出来てないのに!
「嫌ですよおおお木原先生の鬼いいいい!!」
「うるせーよ」
「ぎゃっ!ぐ、グーで生徒を殴るなんて…」
「テメェの石みてぇに硬い頭なら平気だろ?」
「鬼…」
「ハイハイ、頭の悪ぃなまえチャンは大人しく課題やってろってんだクソガキ」
「先生の癖に口悪ーい」
「早くそれやれってんだ」
「無理です。分かんないです」
「俺はコレで忙しいんだよ」
「そうですよね…」
「言っとくがお前、それ終わらせねぇと帰してやんねぇぞ?」
「え!?」
「あたり前だろうが」
この山のようにある課題を終わらせなければ帰れない、ですって?…わたしは後何年学校に居残りすればいいのでしょうか。木原先生の、鬼。ほとんど自業自得だけど。まあ、やるしか、ない。
「う、ここが、…え?う、…で、…むむ…えええー?…分からん…」
「…あーあーあー!分かるとこはちゃんと解いとけよクソガキ!…、これが終わったら教えてやる」
「! 木原先生女神様っ」
「抱きつこうとしてんじゃねぇよクソガキが」
「ハグですよハグ!」
「同じだろうが」



110405