「お前には根性がねぇよな」 「根性ないわけじゃない、やる気がないだけだよ削板くん」 「それを根性なしだとむぐおっ!?」 あーはいはい、分かりましたからとりあえず声のボリュームを下げてくれたまえよ。わたしは削板くんの口を手で塞いだ。頼むよ削板、話すときは静かにな。クラス中の視線がこっちに向いてんだからさあ。この前なんてクラスの子に付き合ってるの?なんていう勘違いまでされたのよ。うん、ていうか話すとき毎回思うんだけど顔近くないですかね。 「…」 「あーごめんごめん」 いつまでも塞ぎっぱなしじゃそりゃあ苦しいだろうね。申し訳ない。目で苦しさを訴えてくる削板にわたしは手を離した。 「俺はしばらくあのままでも良かったんだがな…」 「?」 「いやなんでもねぇ」 「…そもそもわたし、テストに根性があるなし関係ないと思うよ」 「あるだろ」 「ない。勉強とかする必要ない」 「まあそれには同感だ!だが最初から諦めるのは間違ってるとオレは思うぞ」 「同感するのかよ!…いや、けどわたしは勉強はしない勉強きらい」 「ならオレが教えてやろう!」 「削板に教えてもらう…?教えてもらったらわたしはいま以上に根性なしなヤツになることだろうよ削板くん」 「む…?それはどういう、」 「あーもうなんでもいいけど、いちいち顔を近づけてくるんじゃないよばか」 「こうしてないとなまえの顔がしっかり見れねぇだろ、ただでさえ離れていくんだからよ」 「それはアンタの声が大きいからなんだけど」 「それはスマン」 「じゃあ離れろばか」
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