junk | ナノ

:一方通行の場合
「あくせら!助けて!」
「あン?」
「垣根っていうメルヘンがね、わたしのことずっと追っかけてくるの!だからその、」
「匿って欲しいって言うンじゃねェだろォな?」
「その通りなのですが」
「…面倒くせェ」
「えー、そこをなんとか!」
「匿ってやったらなまえちゃンが俺になンかしてくれンのかァ?」
「は…?」
「タダで助けるわけねェだろ」
「もうあくせらに頼んだりしません!」
「ちょ、オイ!待て!」
「…なに」
「メルヘン野郎には手ェ出させねェ。だから俺ンとこに居ろ」
「あくせら、ありがと!」
「……おう」


:上条当麻の場合
「とうまー!」
「おうわっ」
「助けて!」
「あ、あのうなまえさん…なんでしょうこの素敵なラブイベントは。上条さんは色んな意味でドキドキしちゃって心臓痛いんですが…、助けて?」
「うん!宇宙からやってきたれべる5のメルヘンに追われてるの!」
「宇宙から…メルヘン…」
「当麻ん家にでも匿ってください!お願いします!」
「いや、いいんだけど、さ」
「?」
「お前、また変なことに巻き込まれてるな…」
「そんな哀れな目で見ないで。当麻よりは不幸じゃない自信あるんだから」
「おい」
「あはは、とにかく助かったー」
「…なあなまえ、その宇宙から来たメルヘンってもしかして羽とか生えたりするのか?」
「うん?…まあ、羽、はえるけど…」
「っ!…に、逃げるぞなまえー!」
「え?ぎゃっ、もう来てる…!」
「不幸だあああああっー!」


:土御門元春の場合
「…アンタに頼むのはすっごく嫌なんだけど、嫌なんだけど、お願いします助けてください」
「まずはなんで俺に頼むのは嫌なのか説明してほしいにゃー」
「なんか土御門に貸し作るのは嫌だなって」
「まったく。…そんなの気にしなくていいんだぜい?」
「そう…?」
「頼りたいときはもう存分に頼るといいぞ、変わりに俺のことをお兄ちゃんって呼ぶといいにゃー!」
「やっぱり土御門に頼むのは間違っていたのかもしれない…やめとくね」
「えー、つまんないにゃー」
「つまんなくない!」


:ステイル=マグヌスの場合
「綺麗な赤みっけ!」
「ッ、!…なまえ…」
「え、怒っちゃった?」
「…まだ怒ってはいないよ」
「まだってことは怒る予定なんだ?」
「いきなり髪をそんな風に掴まれたら怒りたくもなるだろう」
「あはは、そうだね。それよりステイル、助けて!」
「…またキミは何かに追われるようなことでもしたのかい?」
「またってなんなの。前に追われるようなことした覚えないからね!いや今回だって追われる理由分かんないくらいだよ!」
「助けるのは構わないが、ボクに迷惑はかけないでくれよ」
「え、なにそれ無茶苦茶…」
「なにか文句でもあるのかい」
「イエナニモ」
「それならいいんだ」
「脅しにイノケンティウスを使うのはよくないと思います」


:つかまった場合
「ああ疲れた、けど、どうにか逃げ切った…」
「お疲れ」
「うんありがと、……へ?」
「まあお前は俺に捕まる運命だったんだからしょうがねえよ」
「メルヘン…」
「いい加減俺のことメルヘンって呼ぶのやめろ。いつまでも照れてんじゃねえよ、そろそろ名前で呼べって」
「え、嫌です」
「オイコラなまえ」
「なんですか?」
「他人行儀な敬語なんざ使うんじゃねえ…」
「だってわたしと垣根さんって他人じゃないですか」
「…傷ついたぞ畜生」
「嘘ですよ、ごめんなさい垣根さん」
「そう…」
「半分は」
「半分かよ!」
「おお!ナイスつっこみですね、垣根さん!」
「…ありがとよ。なんか、照れるな」
「なんですかその乙女な反応は。可愛いねって言われて頬を赤らめちゃう中学生並のリアクションじゃないですか」
「最近の中学生にはそんな奴いねえぞ」
「リアルなこと言わないでいいですから」
「ところでなまえ、なんで俺から逃げてたんだよ。そろそろ一緒に住まねえか?って言っただけじゃねえかよ」
「それが嫌なんですってば」
「まあ、もう追いかける必要もねえんだけどな」
「諦めてくれたってことですか…?」
「違えよ。お前が逃げるから逃げ場なくすためにさっきお前の家ぶっ飛ばしてきたとこだ」
「…最低じゃないですか。え、なにそれ冗談ですよね?」
「冗談じゃねえよ」
「え!じゃあわたし帰る家ないってことじゃないですか!」
「あ?俺の家に住むことになるんだから問題ねえだろ」
「なんでそうなるんですか」
「今日から俺の家がお前の家にもなる、って言ってんだよ」
「垣根さん…」
「なまえ…」
「ぶっ飛ばしてもいいですか?」
「おう。全力で受け止めてやる」



110331
:全力でギャグを目指してみた