※かきねが半にゃんこ化
わたしは色々あって今、垣根帝督というメルヘンな男と同居をしております。
そして朝起きて、おはよう、という帝督の声にわたしもまたおはよう、と返そうとした時のことでした。これはなんだ。これは、夢なのか。
「ていとく…」 「あん?」 「こっち来るなよ、おまえ」 「なんだよ、反抗期か?」 「違う。いまその状態でわたしに近づくんじゃないわよ、絶対よ」 「…おい、なんだよその後退りかた」 「いや、ほんと、無理だし」 「そこに居ても俺からは逃げらんねぇぜ?」 「コラ。こっち来るなって」 「どういう状況か分かってんのか、お前」
わたしはベッドの上で寝巻き姿。帝督はあるはずのないものを生やして、わたしがいるベッドに手をかけているところ。それがなんだというのだ。
「?」 「…本気で鈍いなオイ…」 「なにが」 「いーや、なんでもねぇ」 「まあ、それ以上はこっちに来ないようにね」 「だからそれなんなんだよ。俺になんかついてるか?あ?」 「ついて……はえて、る?」 「なんだそ、りゃ…」
そこで帝督は、はじめて自分の頭に手を伸ばして気づいた。その、違和感に。 ゆらり。自身の動揺とともに視界の隅にあらわれたソレに。帝督は、やっと気づいた。
「おい、なんだこりゃ」 「ねこみみとしっぽ」 「……痛ぇ、」 「はなれないの?」 「ああ、本気で生えてるみてぇだなこりゃ」 「ん。これで分かったでしょ?近づくな、の意味が」 「なまえ、猫アレルギーか?」 「うん」 「へぇ…」 「なーんで笑ってんのかなぁ、そしてなーんで更に近づいて来るのかなぁ?」
「悪くねぇな、コレ」
ひょこひょこと耳を動かしゆらゆらとしっぽを揺らし、こちらに近づいてくる帝督をぶん殴ってやりたくなった。だが、いまの帝督に触るのはちょっと気が引ける。別に猫が嫌いなわけではない。猫は好きだけど、アレルギーが出るのは面倒だから嫌なのだ。
「それ以上こっちに来たらていとくのこと、きらいになる、よ」 「そりゃあ嫌だな」 「じゃあ来るなバカ」 「嫌がるなまえ見んの、好き。それにこういうプレイもしてみてぇ」 「…そのむかつくメルヘン思考どうにかして」
だからそんな耳やしっぽが生えちゃうようなメルヘンな現象起きるんだよばかやろう。
110327 :ていとくにゃんこにぬっこぬこにされましょう
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