※某魔法少女ぱろ
「かみじょ、う…っ」 「な、…なにがどうなってんだよ…!」 この空間がなんなのかは分からない。ただ、すごく大変なことに巻き込まれてるってのは分かる。傷だらけのなまえを助けねえと、と思うのに体は固まったまま動いてくれない。 「ッ、なんなんだよ…これ…」 「上条、に、げて」 「馬鹿野郎!逃げろって…、お前は本気で言ってるのか?こんなに傷だらけのお前を放って、」 「にげて」 傷だらけの小さな体で、なまえは立ち上がろうと体に力を入れた。待て、待てよ。なんでお前はそんな体で無理に立ち上がろうとしてんだよ。なにを、考えてるんだよ。 「上条は、わたしがまもる」 「何言ってんだ…!」 「そのためにわたしは、魔法少女になったんだから…だから、絶対上条は、まもるの…」 魔法少女って、なんだよ。お前のその格好が魔法少女のものだっていうのか?俺を、まもるって?その体で俺をまもるって、こいつは言ってるのか?……畜生。 「そんな幻想、俺がこの右手で…」 「もう、上条のその幻想殺しは使えないよ」 「…使えない?」
わたしの願いは、上条の不幸の元を無くすことだったんだもの。
なまえは悲しげに笑った。立ち上がったその身で、どこからともなく出てきた銃のようなものを両手に持ち、俺に背を向けた。
「あ、」 「ばいばい上条、幸せになってね」 「まっ……!」
行くんじゃねえよ…!伸ばした手の先には空気しかなく、掴もうとしてもただ空気を切るだけだった。
お前がいない世界で、どうやって幸せになれっていうんだよ。
110325 :愛もおふざけもあるんだよ
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