ohanashi | ナノ

簡単に言えば、この感情は憧れというものだろう。その感情って、どんなものな変わっていくのだろうか。


「垣根さん…?」
「ああ。もう少しこのままな」
「…はい…」

いつもの垣根さんとは様子が違う。…気持ち悪いくらいベッタリくっついてきて、鬱陶しいったら……、なんて言ったら流石に怒られるよね。ハア、とばれないように小さく息をつく。

わたしの背中にベッタリ張りついているこの人が、学園都市第二位の超能力者の垣根帝督である。いい加減、自分の家に帰ってくださいとも言えず訳の分からない同居が今日で三日目になる。わたしは何も言っていないのだが、一人でブツブツ…「そろそろ帰んねーと流石にやべえよな」とかなんとか言っていたのが朝のこと。ちなみに今は、昼前である。

「なまえ」
「はい?」
「お前……俺のこと、なんとも思ってな…」
「へ?」
「あー、…なんでもねえ」

憧れが恋に変わることなんてあるのだろうか。背中に張りついた垣根さんは鬱陶しい…がそれでいて心地よく、とそれまた同時にすごく恥ずかしいような、そんな不思議な感覚。私からは、もう少し、なんて言えないけど。



麻痺してる

110131

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