四 一応担当医だから病室に足を運んでみた。が、患者は窓の外へと消えようとしているところだった。 「あ、先生」 僅かに金髪の体が室内に戻りかける。 「いや、だめだだめだ」 自分を戒めるかのように首を振り、やはり金髪は窓の外に消えた。