高緑がじゃれてるA
「じゃあ誰がお前のこと幸せにするのだよ?」
「もう俺たち終わりにしよう」お昼に真ちゃん家でなんとなく眺めたふるっくさいドラマの再放送の真似っこをした。簡潔に唐突にそれだけ伝えれば怒るでもなく哀しむでもなく緑間はきょとん、驚いたように目を見開く。いつもの毒気がすっかり抜かれたこども見たいに澄んだ瞳は俺を真っ直ぐ見つめている。(誰がって、ねえ?そりゃお前しかいないだろうよ、つーか反応うっす!こんなもんですかそうですか)少しだけ物足りない気がして「嘘だよ冗談に決まってるじゃん俺がベタぼれなんだからさぁ、でももうちょっと取り乱してくれてもさぁ、」
いいじゃん?って下らないお遊びのネタバレしようとしたその時だった。いつもツンツン取り澄ました鉄仮面の真ちゃんの綺麗なお顔がふにゃり、今にも泣き出しそうに歪んで、えっ??俺これ夢見てる??焦る高尾和成(高1)にとどめの一言。
「俺ではないのか?」
(うわぁ…!!)
「ハイハイ、あーハイハイ!!貴方です貴方しかいないです!!とりあえず真ちゃんその顔やめてください俺以外の前でしちゃダメだかんねオーケー??」
可愛い愛しい俺のエース様のおかげで危うく開きかけた危ない扉に厳重に鍵をかけたある日曜日の昼下がり。
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