2.いや、審神者とか言われても
「え、えぇぇぇえ?!」
「その様に驚かれるのも無理はありません、なぜならわたくしめはきつねなのですから!」
いや見れば分かりますよ、思い切り四足歩行してるじゃありませんか。
「え、いや、あの。なにこれ夢?」
「わたくしがこうして現世まで赴いて来たのは、貴方様の力を是非お貸しして頂きたいが為なのです。」
「え、無視?無視なの??何なのこの狐」
「口で説明するよりもご覧になった方がお早いでしょう。わたくしめに付いてきて下さい」
そういっててけてけとしゃべる狐は歩き出した。
え、えぇぇ…
なぜか私はその物珍しい狐の後を付いて歩く。
時折、私の姿があるのかを確認するかのようにこちらを振り向く仕草は完全にただの狐なのに…なんで話せるの、こいつ…。
段々と人気のない私の通っている高校の裏山に近付く。
「貴方様は、今、日本が歴史改変の危機に晒されているのはご存知でしょうか?」
「…歴史改変?過去に起こった事なんて変えられるの?」
「…、ここなら人目には付かぬでしょう。わたくしの尻尾に捕まって下さい、さぁ!」
こちらに尻尾を向けてふりふりと振る狐。
言われるがまま肌触わりの良さそうなその尻尾を掴むと
「…なに、ここ。真っ白じゃん。異空間?」
辺りが白い光に覆われたかと思えば、手にある狐の尻尾を強く握り締めたまま瞳を閉じたのも束の間、人気のない薄暗い場所から一変、真っ白な空間に私と狐、そして
5本の刀。
「さぁ、この5振りから、ひとつ。貴方様の初期刀を選択してください!
そして審神者となり、刀剣男士達と共に日本の危機を救うのです!」
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