▼1.Pink

「あ、いたいた!なまえさーん」

私の名前を呼ぶ声に振り返ると、その声の主はピンクのヘッドフォンを首に掛けた澄んだエメラルド色の瞳を持つ男の子。

「えー…と、ピンクだからひなた君だね。どうかしたの?」

「そうそう、お兄ちゃんの方のひなたで~す!
なまえさん、ゆうた君見ませんでした?せっかく新しいライブの案が思い付いたのにゆうた君『どうせろくなもんじゃない!』とか言って逃げちゃって…。
なまえさんのところに行けば居るかな~って思ったんだけど、予想が外れちゃったみたい…」

「うーん、ごめんね。見てないかなぁ」

「でもなまえさんといれば会えるかもだしね!」

そう言ってひなた君は私の横について歩き出した。

「ゆうた君さー、俺と2winkについての考えが違うみたいなんですよね~。俺はゆうた君と双子である事の強みを活かしたい!って思ってるんですけど、ゆうた君は個人の強みを出した方がいいって言うし…」

傍から見て取れる程にひなた君は肩を落としてはそう口にした。

「なまえさんは、どう思います?」

綺麗なエメラルド色の瞳がなまえを捉える。

「私は…それぞれ2人の良い所もあると思うし、それに双子である事はそれだけで他のユニットとは異なる特色を出してると思うよ。でも、それだけではやっぱり駄目だと思うんだ。」

「そっか~…なまえさんもゆうた君派か~」

「あ、別にひなた君の考えを否定した訳じゃなくてね?飽くまで意見の1つとして…」

「よしっ!ありがとうございますなまえさん!俺もうちょっとゆうた君の意見も聞いてみようかと思います。お礼に今度パフェでも奢りますね!」

それだけ言い残すとひなた君は手を振りながらかけて行ってしまった。





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