4.未来の…?


無事に洋平と下駄箱にて合流した私は、コンビニでアイスを選びながらさっきまでの出来事を話す。

『流川くん、あんなにぶっきらぼうなのにさ、けっこう素直で可愛いんだなぁって思っちゃった。それでいてあの顔立ちだし、モテるわけだよね。』

私はチョコアイス、洋平はバニラアイスを手に取るとレジへと向かい約束どおり奢ってもらう。小さくお礼を言って、お互いアイスを舐めながら帰路へと歩を進め。

「あの流川っての、晴子ちゃんの好きな男なんだとさ。だから花道はあんな突っかかってたってわけ。にしても花道の本気のパンチを食らって立ってた奴、初めて見たぜ。」

『でも割とフラフラだったよ?すごい負けず嫌いの意地っ張りって感じ。』

流川くんとは短時間のやり取りではあったものの、行動と言動の節々に見えた彼の性格を想像しながらアイスを食べ終えるとあっという間に家についてしまった。

「ふーん。ところでお前さんは大丈夫なのかよ?その、花道のこと。」

洋平は少しバツが悪そうに私に向かって呟いた。

『あはは、心配してくれてありがと。でももう何回目だと思ってるの。花道は惚れっぽいからさ、すっかりお友達の私じゃ好きになってもらえないの分かってるよ。だから別に良いの。私も高校で新しい恋探しちゃおっかなぁ。』

なんて冗談交じりに返事を返すと、洋平は少しばかり眉尻を下げて柔らかな視線を私に向けた。

「まぁ、無理に別の奴好きになる必要はないんじゃねぇの。心配しなくても、なまえのことは俺がもらってやるし。」

『そうかなぁ…、え、今なんて言った??』

私が質問を投げるもお構い無しに爽やかな笑顔を携えて踵を返した彼は、後ろ手を振りつつ歩いていってしまった。

俺がもらう?ってなに…?

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