Long | ナノ

火曜日

今日は火曜日。
流星隊のプロデュース日だ。

朝、下駄箱にてスケジュール帳で予定を確認していると、どんよりとした空気を纏った翠くんに出会った。

「おはよう、翠くん」

「あ、なまえさん。おはようございます…。
ハァ……鬱だ、死にたい…」

朝の挨拶を交わすや否やそんな事を言い出す翠くん。

「昨日はバスケ部、今日は『流星隊』の活動日…
連続で守沢先輩に会うなんて鬱だ…」

「プロデュース、がんばるね。それともコロッケパンいる?」

「なんで朝からコロッケパン持ってるんですか。
それより…あの…着ぐるみを着てプロデュースしてもらえませんか…?
そうしたらすごく元気になるし、なによりがんばろうって気持ちになれます♪」

そういって向けられた極上の笑顔にくらっと来た。
鬱だ何だ言ってるけど、笑うと格好良いんだよね、翠くんは。

「うーん、検討しとくね」



放課後になって流星隊のメンバーの待つレッスン室へと向かう。

ガチャリとドアを開けて中に入ると

「むっ!遅いぞ、なまえ!」

「なまえ、こんにちは〜……♪」

「押忍!なまえの姉御!お疲れさまです!」

「あ、なまえさん…、着ぐるみ、持って来ました?」

「なまえ殿〜…、待ちくたびれたでござるよ〜…」

口々に声を掛けてくる流星隊のメンバー達。

一人ひとりに返すのは流石に億劫なので頭だけ下げ「遅れてすいません」と言葉を添える。

すると翠くんが駆け寄ってきて

「あの、…俺一応、持って来ました…。なまえさんに…来て欲しい着ぐるみ」

そういってゆるキャラの着ぐるみを差し出してくる。
マジかこの子、どうやって持ってきたのそれ。朝会った時持ってなかったよね?てかどこで入手したそれ。

数々の疑問が浮かぶ中無理矢理手渡される。

「どうしたどうした! おお! それはキ○ィちゃんのぬいぐるみじゃないか!」

「ぬいぐるみじゃなくて着ぐるみです、…ていうか寄って来ないで下さいよ…暑苦しい。
あっ、なまえさん。恐竜の着ぐるみもありますよ♪」

「きぐるみですか〜?ぼくもきてみたいです〜…♪」

「せっ、拙者はその、恐竜…が気になる…でござる」

「ちょっ、何言ってんスか! 姉御が困ってるッスよ〜…!」

「俺はアンタたちじゃなくて、なまえさんに着てもらいたいんです……!」

なまえを囲んでわちゃわちゃと話し出すメンバー。

あの、レッスンは…?



※この後めちゃめちゃレッスンした。

| ×

Main
Top