Long | ナノ

8.三奇人の…

「あ、なまえさん似合う似合う〜☆ ねっ!ゆうたくんもそう思うでしょっ?」

「はい、すごくお似合いですよなまえさん」

ヒラヒラした、いかにも女性アイドルが着てそうな服装に若干の抵抗を感じつつ、再び彼らの前に姿を現すとひなたくんとゆうたくんがそう褒めてくれた。

「あれ…?なんで名前…」

「あぁ、部長がおしえてくれたんですよ」

「我輩はこの学院の事なら何でも知っておるからのぉ」

…こ、怖い。

少しの疑念を抱きつつも話していると突然ひなたくんが立ち上がった。

「よしっ、じゃあなまえさんっ!今から俺達のいうとおりに動いてね〜?」

あれよあれよと手を引かれ、少しスペースの空いた場所に連れられるとひなたくんとゆうたくんが交互に指示を出してくる。
慌てながらその指示に従って身体を動かしていると

「たのも〜☆」

と明星くんの声が響いた。




何やら朔間さんと話している様で、その間もなまえは葵兄弟の言うがまま身体を動かしていた。

「右手あげてっ♪右足あげてっ♪」

「左手あげてっ♪左足もあげてっ♪」

「「空中浮遊〜♪」」

…思わず転けてしまった。

下から葵くんたちを見上げると面白そうにケタケタと笑っている。

そうしていると氷鷹くんがこちらに寄ってくる。

「…待たせた、転校生。すまない、遅くなって」

差し出された氷鷹くんの手を握り立ち上がる。

いつの間にか縄が解かれていた大神くんと、嬉しそうな表情を浮かべる朔間先輩。
そして相変わらずニコニコしている明星くんに同じく笑みを浮かべた遊木くん。

みんながなまえを見ていた。




生徒会に一矢報いる為に、これから氷鷹くんは葵くんたちと、遊木くんは大神くんと特訓をし、そして明星くんはなまえと行動を共にする事になった。

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