「やあやあサソリくん、久しぶりだね」
「…名前が顔を出さなかったんだろ」
そうだっけ?と首を傾げるこの自称先輩を殴りたいと思ったのは俺がガキだからなのか?
結局2週間くらい俺は他のメンバーと共に任務へ行っていた。任務から帰ったら名前がケロッとした顔でリビングにいて、いてもたってもいられず拳を飛ばせばひらりと交わされ冒頭の言葉を言われた。
なんだか拍子抜けしてしまい、ため息を吐いてから拳を解く。
「今任務帰りかい?」
「それ以外に何がある」
「色街にでも行ったのかと」
「あ゛?」
「冗談だよこわいなぁサソリくんは」
わざと肩をすぼめてくる姿がなんかムカついたから殴っておいた。拳がジャストミートし名前はぐぇっと言って吹っ飛んだ。
ざまあみろ。油断するからいけねぇんだよ馬鹿が。
「痛いよサソリ」
「ふん」
腰を摩りながら涙目の名前を見て優越感を覚えた。
「私先輩なのに…。まあいいや。じゃ、任務行くよー」
むくりと立ち上がり着替えはじめたかと思えばあっという間に任務へ行く格好に。
隣で見ていた角都がため息を吐きながら着替えるなら部屋でやれと言っていたが気にせずいいじゃんいいじゃんとへらへら笑う。コイツ本当に女か。
「俺は任務から帰ってきたばかりなんだ。休ませろ」
「サソリには疲れるもクソもないでしょ?」
ふざけるな。
いくら傀儡でも疲れるもんは疲れる。勝手な偏見はやめろ。
なんて言いつつも久しぶりの名前とのツーマンセルと言うだけもあって、今回は名前も戦うという約束で任務に出た。
君が一緒なら約束なんてどうでもよかったんだ
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