「いきたくないからいかない」
「ふざけるな。任務だろうが」
「じゃあサソリ一人でいってよ」
「名前とのツーマンセルなんだ。そうするワケにはいかねえ。分かってんだろうが」
「とにかくやだ」

さっきからこのやり取りの繰り返し。その間もずっと布団に包まって出て来ない。
ここ連日ずっとそうだ。食事にも来ない。まったく顔を見せない。
とうとう堪忍袋の緒が切れた俺は勝手にしろとだけ言って荒々しく部屋を出た。

リビングのソファに腰掛ければ角都に何かあったのかと尋ねられる。今までの一部始終を話せば、横でそれを聞いていたゼツが急に何かを思い出したらしい。

「そうか、そういえばサソリは知らなかったよね…本人カラ聞イテナイノカ」
「何のことだ」
「名前はね、血継淘汰ってやつなんだ。ソノ副作用ガドウトカ言ッテ、全ク任務ニ出ナイ時ガアルンダ」

今ゼツは何といった。
けっけいとうた?
あの血継淘汰だと?
そんなこと自体聞いてない。
第一、副作用なんてあるものなのか?

「…名前は任務でお前と何をしてたんだ」
「アイツ、戦闘は俺に任せっきりだった」

俺の答えに角都やゼツは呆れた表情をしてため息を吐いた。
全てがごちゃごちゃになっちまった俺は直接リーダーに聞くことにした。

揺らぐ心はきみのせい



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