アジトに帰って一人になる。
普段使わないベッドに横になる。睡魔なんてものはない。だがなんとなく瞼を閉じてみた。そうすれば瞼の裏に写るのは任務の時、初めてみた名前の戦闘能力。
だいぶ前からいるだけあって申し分ない能力だった。そしてあの真剣な表情。初めて見た。
だがあの姿は、まるで戦場に舞うはかない鳥の様だった。いつのまにか、どこか遠くへ行ってしまうような、そんな感じがした。

再び瞼をあげれば、名前の姿はなく、広がるのはただただ無機質な天井。

天井を見ていると、自分の存在意義がわからなくなる。
自分は孤独なのだと押し潰されそうになる。くそ。感情なんて、捨てちまったはずなのに。
耐えられなくなり傀儡作りに没頭した。
一段落ついたところで手を休めれば、その時を見計らっていたかのように青い鳥が窓で囀った。窓を見ればそこから差し込む光。
もう朝か。

長い長い夜の後にぼくをまつのは希望の光か絶望の光か


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