百物語 | ナノ


▼ 序




ねえ皆さん、僕から一つ提案があるんです。
ええそうですよ赤司君。僕ら「キセキ」の仲直り記念です。どうせなら各校の皆さんにも参加していただきたいと思いまして。何です青峰君。もったいぶるなって…ああもうわかりましたよ。説明しますから少し黙っててもらえませんか?

百物語、しませんか。

…火神君うるさいですよ。黄瀬君まで情けない悲鳴あげないでくださいみっともない。何ですか?真冬になんで百物語するかって…じゃあ君、夏なら良いんですか?ほら良くないじゃないですか。まあ理由としてはただ単にやってみたかっただけなんですけどね。ほら、中学時代は緑間君がガンとして許してくれませんでしたから…今も許す気はない?まあ確かに何かあったら霊感マックスな君に頼るしかないですが今回はほら、君の「お友達」の―――日向キャプテンたちもいることですし、そう言わないでくださいよ。それにしても君の旧友で霊感チートな方々が全員キセキの進学先にいて、ポジションまで同じとはすごい偶然ですよねえ…すいません、話が逸れました。
悪くないと思うんですよ、この提案。紫原君はどう思います?どうでも良い?君はまたそういうことを…。
火神君と黄瀬君以外に反対する人がいないのなら実行ということにしますが…いないようですね。二人とも諦めてください。
では日取りや場所を決める前に簡単にルール説明をしましょうか。

まず百物語をとり行うのは新月の夜。もちろん電気はつけません。青い紙を被せた行燈を囲み、集まった人たちで一つずつ怪談話をしていきます。諸説はありますが、語り手たちも青い服を着る場合があります。魔除けの刀を飾ることもあるようですね。今回は服は良いでしょう。それぞれ自分の学校のジャージでも着てきてください。刀は…桜井君、おうちに刀があるんですか?さすが寺生まれは違いますね…お借りしてもいいですか?はい、では当日お願いします。行燈の心配はしなくて良いですよ。僕が用意しますから。
続けます。
まあ皆さんご存知でしょうが、百物語最大のタブーは「物語を百語ってはいけない」ということです。百語れば魔物が現れ、誰も生きて帰れない、と―――え、何です火神君。何で皆死んでるのに百まで語ってないってわかるのかって?そうか、君、帰国子女でしたっけね。
正解は行燈の数です。
この行燈、別に雰囲気付けのためにあるわけではないんですよ。最初に百、用意して、話を一つ終える度に一つずつ行燈を吹き消していく。終盤につれて薄暗くなっていく様 はまさにホラーですよね。人死にが出たとうわさがたった ところでは、行燈の炎が百個すべて消えていたそうです よ。怖いですね…って何ですか高尾君。今の僕の顔のほう が怖い?失礼ですね、緑間君に君のないことないこと吹き込みますよ。

説明としてはこんなところですかね。何か質問のある方は いらっしゃいますか。はい、桃井さんどうぞ。ああ、場所 と時間ですか。時間は次の新月ですからええと…そうで す、来週の金曜日ですね。場所は僕が手配します。いい感 じの廃屋敷を知っているので、明日にでも住所をメールで お知らせします。後はありますか?ええそうですよ黄瀬 君、先輩を連れてきてもらっても構いません。最初に言っ たじゃないですか、各校の皆さんでって。ほかの皆さんも 出来れば先輩方を連れてきてくださいね。多いほうが話し やすいでしょうし。え、緑間君なんですか。すいません ちょっと聞き逃して…監督?ええ、構いませんよ。そうい えば君のところの監督も霊感持ちでしたっけね。ちょっと 秀徳チートすぎやしませんか。分けてくださいよ。あ、冗 談です冗談。だから高尾君と二人で全力で威嚇するのやめ てください。秀徳厨怖い。 えーっと後は…良いですか?じゃあ2、3日中に参加される 方のリストを僕に送ってくださいね。ちなみに飲み物、食 べ物の持ち込みはオッケーです。えっ…桃井さんは、そ の、はい。持ち込みは既製品に限るということでひとつよ ろしくお願いします。 では、皆さんそれぞれ怪談話を仕入れておいてください ね。

【参加者リスト
〈誠凛高校〉
黒子テツヤ
火神大我
日向順平
木吉鉄平
伊月俊
水戸部凛之助
小金井慎二
相田リコ
相田景虎
〈海常高校〉
黄瀬涼太
笠松幸男
小堀浩志
森山由孝
〈秀徳高校〉
緑間真太郎
高尾和成
大坪泰介
宮地清志
木村信介
中谷仁亮
〈桐皇学園〉
青峰大輝
桃井さつき
桜井良
若松孝輔
今吉翔一
原澤克徳
〈陽泉高校〉
紫原敦
氷室辰也
岡村建一
福井健介
劉偉
〈洛山高校〉
赤司征十郎
実渕玲央
根武谷永吉
葉山小太郎】



…さて皆さん、揃いましたか。お菓子の山に埋もれて見え ませんがそこにいらっしゃるのは氷室さんですよね?あ あ、合っているようでよかったです。紫原君は少し自重し てください。 座り方ですが…僕を基準に時計回りで誠凛、海常、秀徳、 桐皇、陽泉、洛山の順で円を描いてもらえますか。そうで す、行燈を囲んで。各校ごとの並び方はお任せしますよ。 ああ、桜井君刀をお借りしますね。これは真ん中に置いて おきますよ。
では始めましょうか。話す順番はくじで決めます。連続で 同じ人が話すのもつまらないのでその回に話した人はくじ を引かないでくだい。良いですか?

せーの







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