短編 | ナノ

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とりあえず、だ。
「どっから声出してんだあれ」
「大坪、そこじゃない。確かにそれも気になるけど今突っ込むべきところはそこじゃない」
多大に天然の入ってらっしゃる主将を黙らせ、宮地は緑間を庇うようにジャックランタンとの間に割って入った。
都合が良いのか悪いのか、煌々と冴えた光を放つ月は一分の欠けもない真円。宮地の背後には可愛さの欠片もないが可愛くて仕方ない後輩がおり、目の前の南瓜もどきはその後輩に害をなさんとする者だ。チームメイトたちには決して見せたくなかった力を使うためには最高の舞台が整っている。
「なあお前ら。明日には今から起こること忘れろよ。その方が身のためだ」
はっとしたように制服の裾を握りしめてくる緑間の手をやんわり振り払い、宮地は、



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テーマ「人外ファンタジー」
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