07
内に留めた熱に思考までも揺さぶられ、焼き切れそうな感覚に支配される。優しく撫でる手すらも今は苦しいくらいの刺激となった。今すぐ楽になりたい、とわななく唇を塞がれる。逃しきれないでいた声は全て彼の内に収まっていく。大きく身体を震わせた後、深く息を吐く背を撫でれば、熱い手が同じく熱い肌に触れて、まるで逃がさないと言わんばかりに力が込められた。
「ここに、おるよ…」
「逃げんといてな?」
逃げられることを好まない心理からか、彼は時折こうして昔の顔をする。元子分たちには見せられないほどの獰猛な様相は、嫌いではなかった。