05

日本に貰った入浴剤を持ってきたので明日は一緒に入ろうと言い残して浴室に消えた彼に手を振ってから皿を洗う。明日以降に回した料理たちは最初からその為の器に入れられていたので、洗うものは案外少ない。休日をゆっくり過ごすためにあそこまで作ったと思うと、本当に今年はどうしたのだろう。普段であれば何もせずここぞとばかりに甘え倒す彼が珍しい。早々に手持無沙汰になったが、彼の入浴時間を思うとあれこれするには微妙な時間だ。仕方なく、造り置いてあったアイスでも食べて待つことにした。甘さが控えめなのでこの時間の甘い物でも罪悪感が薄い。おかわりしてしまいそうだ、と思いながら手を進める背に衝撃が訪れるまでそう時間はかからなかった。



「こーら」

「ええもん食べとる!」



強請って甘える彼の濡れた髪がくっついて、酷く冷たかった。






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