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じゃあ、と彼が手を振る。濃い太陽の下に出る背にひとつ手を振り返す。

それ以上は何も無い。いつも決まった、さよならの仕方だった。

けれどどうしてだろう、今日は最後にもう一度振り返ってくれたらいいのに、などと思ってしまった。





「またな!」





美しい緑が、太陽を浴びて輝いている。





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