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そういえばトマト畑の世話は良いのか今更ながらに訪ねれば、彼はくすぐったそうに笑って、ロマーノが見てくれていると言った。なら何故、彼と一緒にしないのかと重ねて問へば、ここへ来る発端がロマーノであったことが分かった。

たまには肩の力を抜いてこい、と追い出されたのだと彼は苦笑しながら頬を掻く。

あれでいて敏いあの子は、彼が自然体でいるようでその実、きちんと周りを見て行動していることに気が付いている。自分がいることによって未だ親分であろうとすることも、だ。

昔から変に察するところがある、と今頃文句を垂れながら畑にいるであろうあの子を思う。



「ええこやね」

「せやろ?自慢の子分やわ!」



ぱっと表情を明るくした彼はすっかり親の顔をしている。



「ちゅーか、それ今する話なん?」

「ちょっとは休憩させてくれん?」


昔よりも体力の落ちた今、彼についていくことは中々に難しい。

弾んだ息を整わせる間、遊ぶように唇があちこちへと降ってくる。一度気の済むまで、と言われ連れ込まれるまま付き合っている自分も十分良い子だなと、ひとりごちた。





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