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今日もまた客室はその役目を全う出来ないらしい。さも自分の場所だと言うように入り込んでうとうとし始める彼の尻を叩く。ぎゃっ、などと短い悲鳴を上げたが構いはしなかった。



「なんやの〜」

「わたしの寝るとこないやん」

「あるって!俺の腕ん中!」

「あーはいはい」



聞くだけ無駄とはこのことか。予想していたこともありごねる気は毛頭無く、迎えられるまま滑り込む。しっかりと抱き込まれて苦しいくらいだった。一人分の体温を余分に抱えていては暑さで眠れないのではないだろうか。けれど特に気にした様子も無く、彼は既に舟を漕いでいる。薄いタオルケットを引き上げ、申し訳程度の空調の中ではこれくらいが良いのかもしれない。冷えた足を絡ませ目を閉じた。





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