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『えー…、これから、女装コンテストを開催します。司会はマルクト帝国軍所属、アスラン・フリングスが務めさせていただきます』
「アスラン、固いぞー」
『……審査員は、マルクト帝国皇帝、ピオニー・ウパラ・マルクト9世様です』
「アスラン、始めてくれ」
『では、始めさせていただきます。エントリーナンバー1番、ローレライ教団からフローリアン』
「はぅあ!?いきなりフローリアン!?」

フローリアンは、たぶんアリエッタの導師守護役の服を借りたであろう、白を基調とした服を着ていた。

「な、なんで根暗ッタの服着てるの〜!?」
「アリエッタ、根暗じゃないもん!!」
「アリエッタ!?」
「フローリアンが…面白そうだからって…ついでに、イオン様は逃げた…」
「い、イオン様……」

ステージの上のフローリアンは、楽しそうに手を振っていた。

「というか、アリエッタがいるってことは…」
「僕たちもいるよ」
「シンク、ラルゴ!」
「リグレット教官も!」
「ティア…その服、似合ってる…」
「え、えっと、ありがとう、ございます……」
「なんで、根暗ッタたちがいるの〜?」
「そうですわ!」
「アッシュが、これに出ると聞いて、応援に来たのだ」
「ま、まさか、アッシュが自分で出るとか…」
「いや、これが届いたらしくてね」
「これ、ピオニー陛下の手紙だよね?」
「なんて書いてありますの?」
「……勝手に申し込んだから、参加してほしい。参加を拒否した場合……ジェイドが、無理矢理拉致するからな(笑)」

(脅されたのか!?アッシュゥゥゥゥゥゥ!!)

ガイたちと六神将はアッシュを憐れんだ。

『続きまして、エントリーナンバー2番。マルクト帝国軍第三師団師団長、ジェイド・カーティス大佐です』
「あはは〜」

(なんか知らないけどっ、色んな意味で破壊的だっっ!!)

ジェイドは、普段じゃ絶対あり得ない露出の多い服を着ていた。
ミニスカから見える絶対領域が眩しいぜ☆

「あわわ…大佐までぇ!」
「なんていうか、死霊使いがあんな格好してるとか……笑えるね」
「そこ〜、聞こえてますよ〜。それ以上言ったら譜術ぶちかまします(笑)」
「シンクやめろ!オレたちまで巻き添えになるっ!」

そのやり取りの間にも、ジェイドは詠唱を始めていた。

「旦那、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「おや、つまらないですね」

(笑顔で言わないでくださいっ!!)

またもや、ガイたちと六神将は心のなかで息が合っていた。

『(もう嫌だな)続きまして、エントリーナンバー3番。ローレライ教団特務師団師団長、六神将鮮血のアッシュです』
「お、おか、えりなさい、ませ……ご主人様ぁぁぁぁぁぁっ!

(最後、ただのやけくそだ!)

アッシュはいつも上げている前髪を下ろし、長い緋色の髪をポニーテールにして結っていた。
ちなみにメイド服で、オプションでカチューシャに猫耳。これまた絶対領域が眩しい。

「うわー、笑えるよ。アッシュ、そのまま髭(ヴァン)のとこ行ってきてー」
「誰が行くかーーー!!」
「あはは…アッシュ、似合ってるぞ!」
「黙ってろ!スケベ大魔王っ!!」
「まぁ、なんだ、頑張れ」
「笑顔でグッジョブポージングしてんじゃぬぇー!」

アッシュは目にうっすら涙を浮かべて、客席にいる仲間たちに叫んだ。

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