7月11日


廊下のベンチでスマホを眺める。




1ヶ月前の写真を見て想い出に浸っていたら着信画面になった。




ディスプレイに表示される"ユノ"の文字。





『もっ、もしもしっ!』


慌てて電話に出れば


「そんな慌ててどうしたの?」


アーハッハッと落ち着く笑い声。




ユノの声を聞いたら涙が溢れ出てきた。





「もしかしてナマエ(カタカナ推奨)、泣いてるの?」


『ユノ…今ねSJのライブに来てるんだ』





"ユノと早くステージに立ちたい。"





その言葉をグッと飲み込んだ。







『イェソンオッパの歌声があまりにも綺麗で涙出てきちゃった』



精一杯の嘘。






君を不安にさせてはいけないから。









ユノとの電話が終わってもまだしばらく席に戻る気にはなれなくて、静かに泣いた。









「ナマエ(カタカナ推奨)ヌナ、何してますか!遅いですよ!って…ヌナ?泣いてますか?」




全然戻らなくて心配になったチャンミンが来てくれて







『ライブ見てたら東方神起が恋しくなってステージが恋しくて辛くて…』



「黙って泣いてればいいんですよ」




私の頭をグッと胸元に引き寄せて包んでくれた。






私は落ち着くまでチャンミンの胸の中で静かに泣いた。





end.








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