「ほら、」 ぽいっとカスタマイズしておいた大振りのククリナイフを投げてやると、それをキャッチした女は顔を顰めた。 「ほら、って。あたし別にカスタマイズしろなんて言ってないんですけど」 「刃こぼれが酷かったから親切心を働かせてやったんだよ。感謝してくれないと」 「………」 厭そうな顔をしながらナイフを鞘から取り出すSadalsuud。と同時に上がる悲鳴。 「ちょっ、なにこれ!!あたしのククリちゃんの刃先の形変わってる!!」 「そこの劣化が一番やばかったからなー。削って研磨した」 「頼んでないし!!」 「あと重さもちょっと調節しといた」 「だからなんで勝手に―――!!」 ぎゃあぎゃあと喚くSadalsuudが我慢ならないといった感じでカウンターを飛び越え渡したばかりのククリナイフで斬り掛かろうとしてくる。が、その動きがおれの数cm手前で止まる。 「…おぉ、よくわかったなー」 「…………」 「そこから一歩でも動けば、おまえの首は吹っ飛ぶ」 「…炭素の糸」 「正解」 にまりと笑って腰のホルスターから新作のカスタムナイフを取り出す。凶悪なフォルムのそれは重さも威力も抜群だ。 「さて、そろそろ行くか」 「…行くって、何処に」 「新作の試し斬りだよ。おまえ、確かこれから任務だったな」 「っ、まさか付いて来る気じゃ!」 「そのククリナイフ、振り回し易くなっただろ」 「………!」 「じゃ、行くか」 炭素鉱糸を解いて立ち上がる。Sadalsuudは苦虫を噛み潰したような表情でククリナイフを仕舞い、歩きだした。おれは煙草をくわえてその背中を追う。 「……あ」 「…なんですか」 「途中で煙草買ってく」 「………」 ついでに何人か斬っていくかと提案したら止めてくださいと言われた。仕方ない、我慢するか。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 笑ちゃんごめん…(笑)嫌われキャラな佐保姫さん\(^o^)/ |