不知火からメールが来た。メアドを教えた覚えはないがあいつからは稀にメールが来る。何処で調べたんだか。それによれば次の時間に行われる小テストが単位に関係するものらしいので、面倒だが授業に出ることにした。やれやれと特等席を立ち屋上庭園の出入口に向かう。と、そこでドアの近くで蹲っている物体を発見した。 「…………」 しかもよく見れば人間らしい。荒い呼吸音と共に忙しなく上下する背中。…何かの発作か?無視するわけにもいかないので、とりあえず蹲ってる男子生徒に近づく。 「おーい、生きてるかー」 「…っ、……」 しゃがみこんで突いてみれば苦しそうな顔がこちらを見た。どうやら意識はあるらしい。 「おまえ、なんかのビョーキ?すげー苦しそうだけど」 「…っ、おまえに…かんけ、い……ねぇだ、ろっ…!」 「かわいくねーの。見殺しにすんぞ」 「ハッ……勝手にし、ろ…っ、う…!」 生意気に啖呵切ったかと思えば再び苦しみだす男子。うーん…面倒くせーけど、仕方ないかー。 「おら、立て」 「…っぁ…」 「死にたくねーなら歩けよ」 「ふ、ざけん…な……ほっとけ…!」 「あ?おまえがふざけんじゃねーよ。おれのテリトリーで勝手に倒れられても困るんだよ。倒れんのは保健室にしやがれこの馬鹿が」 悪態吐きながら立ち上がらせ、その肩を担ぐ。あーおれって献身的。ほんと丸くなったよなー。自分の成長を感じる。 「おいおまえ」 「おまえじゃねぇ…な、七海哉太、だ…」 「知るかよ。つーかはやく歩け。遅い」 「…っ、おまえなぁっ」 「いーから脚動かせ。じゃねーとお姫様抱っこで校内一周すんぞ」 「……んの…!」 割と重い七海を半ば抱えながら、おれは久々の保健室へと向かったのだった。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐ かいがいしい佐保姫さん。続くかも。 |