6. You just don't know any reasons will do.


四月になった。進級した弦一郎は三年になり、病気で不在の部長の代わりを務めながら立海大付属中テニス部副部長としての日々を、そこそこ順風満帆に送っている。新入部員は今年も多かったが去年の赤也のように強烈な顔はなかった。つい自分がいなくなったあとの中等部テニス部のその後を憂慮してしまったほどだ。
そして夕暮れは三月の終わりよりも少し長くなっていた。だから帰宅しても部屋の明かりをつけようか少し迷って、結局いつもつけないでしばらく放置する。そうしたら普段通り、荷物を片付け、着替えを済ませ、夕飯までは机に向かうか離れの道場に行く。春の夕方はいつもこんなふうに過ぎていく。
けれど最近、その前にたったひとつだけすることが増えた。着替えたついでに制服のポケットから取り出した携帯を一度だけ確認することだ。本当に、たったそれだけのことだが小さな緊張と期待がない交ぜになる不思議な瞬間。そして何事もなければさっさとしまい込むし、サブディスプレイがチカリと光ればその場でそれを開く。今日は後者だった。

From:越前リョーマ
Subject:無題
――――――――――――――――
元気?こっちはまあまあ。
青学ではテニス部に入ったよ。一応
女子テニだけど、練習は男子の方に
入れてもらってる。青学って男子は
強いけど女子は全然だから。
立海大は違うのかな。
こっちは変な人ばっかだけどみんな
結構ヤルね。いい練習になるよ。
アンタ負かせるようになるのも時間
の問題かも。覚悟しといた方がいい
よ。
じゃ、またね。
     ----END----

短いそれを読み終わって思わずくっと笑いが込み上げた。相変わらず失礼で小生意気な物言いだ。けれど文字の方がリョーマは饒舌な気がする。歯に衣着せないのは性分に違いないようだが、対面するときよりも字面の方がリョーマの気持ちは分かりやすい。だからきっと本当は素直だけれど口先が邪魔をする、彼女はそういうタイプなのだろう。最近メールをやりとりする内にそういうかわいげがリョーマに垣間見えだして、弦一郎にとってもこの時間がかなりの楽しみになっていた。
さて、今日は返事をしようか、どうしようか逡巡してみる。
リョーマの実力なら女子テニス部が持て余すという話はよく分かるし、立海大も女子はそう有名ではない。変人揃いというならこちらも負けないだろう。いや、個性が強いというべきか。何よりリョーマと弦一郎の実力はそんな数週間でひっくり返る程度の差ではないと言ってやろう。そう思い立ってボタンをいじろうとしたとき、それを遮るように画面がメールを受信したことを報せてきた。こんなときに誰だ、と半ば苛立って中身を確認する。と、あろうことかリョーマ本人だったので驚いた。リョーマから一日に二通もメールが送られた例はない。しかも今度は今までと違って粗雑にも思えるほど短い、たった一文だけのものだった。何か言いそびれたのかと最初は思ったが、そんな生半可な内容では決してなかった。たった一言なのに、随分な威力の言葉。リョーマが俯き気味で言うさまが目に浮かんだ。

From:越前リョーマ
Subject:無題
――――――――――――――――
ちょっとだけ、会いたい、かも。
     ----END----

危うく携帯を落としかけた。何度か取りこぼしそうになり、中腰になりながらもそれを受け止めて、弦一郎はその姿勢のまま固まった。
そして顔を赤くし、思った。そんなにまで素直にならなくても。これはまずい。こんなことをされてはこちらの心臓がもたないではないか。実際耳の奥が疼くくらいバクバクと心臓は高鳴っている。
落ち着いてくると、弦一郎はいっそ悔しいくらいの気分になって苦虫を噛み潰したような顔をした。本当に、リョーマには甚だしく翻弄されっぱなしなのである。なにせ突然立海大にリョーマが来た翌日も、案の定、部活までには部員のほとんどに彼女のことが知れ渡っていた(ので言いふらした四人にはもれなく鉄拳制裁を食らわせた)。しかし陰口を叩かれるのだけは我慢がならない弦一郎は開き直って「許婚がいて、悪いか!」と怒鳴ってしまい、そのおかげか、居合わせた全員があっさりその事実を納得したのはちょっと気に食わない。が、こうして難なくリョーマとの間柄が公認のものとなったところへ追い討ちをかけるようなこのメール。弦一郎はほとほと困ってしまった。
許婚という肩書きはこの際認めよう。メールのやりとりだって友人間でもするようなことだから問題ない。ただ、この発言は少し、あまりに「それ」らしいのではないだろうか。
つまり、確かにリョーマと弦一郎は許婚だ。でもふたりは付き合っているわけではない。それどころか許婚と言ってもまだ両家で合意した段階ではなく、リョーマがその関係の名前だけを私情のために利用しているにすぎないのだ。ところがどういうわけか、そういう複雑な経緯があるにも関わらず、リョーマはそんなもの箸にも棒にもかけてくれない。その結果がこのメールか。
「あ、会えるわけが…。」
と呟いてみた。が、それ以上が続かなかい。だからと言ってリョーマのこの言葉を無視していいとは到底、弦一郎には思えなかった。
それから少し頭を冷やそうと窓に手をかけた。夕方の、この季節にだけ味わえる本当に肌へ快い風と空気を体一杯に取り込む。そして長く長く息を吐いた。顔を上げると街のスカイラインの上に青空の名残りが見えた。リョーマの髪も光が当たると一瞬あんな色に見えるのだ。そんなことを思い出してまた俯く。
白状すると、リョーマに会わない間、何かにつけ彼女と結び付けてはあの顔を思い出しているのだ。会いたい、とリョーマが言ったのを見て、驚いたのは彼女の言葉が恥ずかしかったからではない。自分も同じことを思っていたからだ。弦一郎にとってはその方がよほど恥ずかしかったわけだが、自分の気持ちを誤魔化すのは性に合わないし、考えてみればあのリョーマが会いたいと言ったのだ。口先の捻くれ具合なら自分の何倍もあるだろうあの子が。唸った。羞恥を堪えたり、悩んだり、そういう類の呻きを幾度も零しながら、弦一郎はとうとうリョーマに懸命の返事をしてみることにした。

ベッドに仰向けになり、リョーマはぷらぷらと足を揺すっていた。そして二通目のメールを送って大分経つ静かな自分の携帯を目の前にかざしては、無反応なのを確認してまた腹の上に置き直す。
弦一郎からの返事は来るときもあれば来ないときもある。それは一向に構わないのだが、今日は二通も送ったし、内容が内容なだけに反応が気になってかなりやきもきしていた。落ち着かない足はそのせいだ。
会いたい、なんて柄じゃないと思った。けれども、立海大までわざわざ行ったとき以来、もう二週間近く彼とは会っていないのが実際のところだった。お互いの生活区域は中途半端に離れた距離にある。会えなくもない。でも度々行くには遠い気もする。そんなことをするにはふたりとも時間がないのだ。弦一郎もリョーマも学校と部活で毎日はほぼ手一杯だった。メールをやりとりする内に知ったのだが、立海大は今部長が病欠でいないため、実質、弦一郎が副部長ながら部長の仕事までやっているらしい。きっと平の部員であるリョーマの比ではない忙しさだろう。だからずっと遠慮していた。弦一郎には彼の生活があって、リョーマ以上に彼を必要とする人はいくらでもいるだろうからだ。リョーマが彼を独占する必要も権利も本来はない。自分はあくまで彼の肩書きだけの許婚で、最近は友達くらいにはなってきたと思うけれど、それ以上では決してない。それが弦一郎とリョーマなのだ。
でも、リョーマは自分でもあきれ返るくらい、天邪鬼らしい。常に何かを考えるときは相反した気持ちが湧いてしまう。こうしろ、と言われると別のことがしたくなる。何か同意を求められれば反論が先に思いつく。別段必ずしもリョーマの気持ちが間違っているわけではないし、時には相手が正しいこともある。それでも本音は何故か周囲の逆をいつも言っていた。アメリカではdifficultと言われ続けた。日本でもそれは変わらないだろう。
「どうせ面倒な女だよ。」
いつまで経ってもうんともすんとも言わない携帯にそう言ってやった。と思った矢先、ついにそれが応えた。慌てて起き上がるとメールを確認し、リョーマは、盛大に噴出した。笑いだった。考えるよりも先にそれは起こったから、しばらくはただただ笑うしかなかった。そして考え出してもまた笑えた。
そうやってひとしきり笑いきると、自分の憂鬱も嘘のように吹き飛んでいた。そのまま気分よく返信しようとしたが、ふとリョーマは思いとどまる。どうせならと思い、からかうような気持ちでアドレスを探った。

自分は言葉の拙いやつかもしれない。そう思ったことは一度もないが、昔から蓮二などには「お前は言葉が下手だ」と苦笑されてばかりだった。それが今更自覚できた気がするのは、たかがメール一通が本当に大変だったせいだ。送ってしまった今でもあれでよかったのか、別なことを言うべきではなかったかと弦一郎の頭の中は悶々としている。また、それを実に下らないと冷静に思う自分がいる反面、慎重さを欠いてはならないと忠告する自分もいた。こういう具合に混乱した頭ではもうどっちが正しいとか、何が間違っているとかいう判断がつくはずもなく、どの道全ての可も不可もリョーマの返事にかかっていた。
けれどそれを待つのはひどく緊張する。テニスの全国大会だってこんなに緊張しなかった。何故ならそこには裏打ちされた自信の実力が伴っていたからだ。一方、こちらの勝負に関して弦一郎は全くの無防備、ずぶの素人なのだ。まるであの野試合のしっぺ返しのように、今、リョーマと弦一郎の立場は逆転してしまっているようだ。
考えれば考えるほど泥沼にはまるこの感覚はたまったものじゃない。何でも良いから返事が早く来い、とぎゅっと手の中の携帯を握りつぶす。次の瞬間、それに反抗するように携帯電話はけたたましく鳴った。着信音が微妙に違う。電話だった。ところがその程度の微妙な予想外のことに、弦一郎の精神は恐ろしくかき乱された。おかげでまた携帯を放り出しそうになるわ、今度はもう取り損ねそうになって無理矢理掴んだらすっ転びそうになるわ、けれど目の前に迫った壁に全力で手をついて何とかそれを阻止した。とは言え、なんだか家ごとびりびり音を立てた気がするからあとで家族に問いただされるかもしれない。だがしかしそんなことを気にしている場合ではない。決死の思いで掴んだ携帯をこじ開け、弦一郎はリョーマからの電話に出た。
「えち…。」
『「何故だ」じゃないんだね。』
リョーマの声は電子音になっても分かるくらい愉快そうに聞こえた。耳元で聞く声は甘ったるいくらいで胸のあたりがくすぐったくなる。見透かしたようにリョーマは弦一郎に声をかけ続けた。
『普通「会いたい」って言っただけなのに「いつだ」って返す?アンタ、気早すぎ。』
ふふ、とでもいうような音でリョーマが笑う。今までで一番と言っていいほど彼女はご機嫌そうで、弦一郎はやっと自分の返信が決してハズレでなかったことを知り、ほっとした。
『…お前がそんなことを言うから、よほどのことかと思ってな。』
「……別に、用があるわけじゃないんだけどね。」
弦一郎に問われるだろうと思っていたことをいざ問われると、リョーマは自分の方こそ早まったか、と思った。
今まで時間がないせいで弦一郎に会えないのだ、と思い込んでいたのが一気に崩れ去っていった。まだお互いの時間が問題に上がる段階ではない。本当はただ、理由が、口実がなかったのだ。
弦一郎が聞いてきたことは当然のことなのに、そこを指摘されるとまるで彼に突っぱねられたかのようにリョーマは感じた。寝転がっていた体の熱が急激に下がっていくようで、ひとり浮かれているのが馬鹿みたいだった。
一方、相手方に黙られてしまい弦一郎はいぶかしんでいた。何か、自分がまずいことを言ってしまったのだろうか。そんな不安が過ぎって眉間の皺が深くなっていく。けれど沈黙が長くなって、その間ずっと考え続けても弦一郎に思い当たる節はなかった。一体何度目になるか。自分の言ったことで何かおかしなこと、特別なことはなかったか。そう思い返してやっと行き着いたことがあるとすれば、言葉に込めた気持ちの差、くらいのものだった。本音や配慮や、特にリョーマに向けて言わなければならない言葉で悩みぬいたものに限ってリョーマは、何となく喜んではいなかっただろうか。「会いたい」と言われたから、たくさんの返事を浮かべては消して、結局向こうが会いたいのなら話を進めたほうがいいと思い、「いつだ」と返した。その言葉へのリョーマの反応は悪くなかったと思う。きっと離れたところで笑っていただろう。いつか目の奥に焼きついた笑顔が思い出されて、またあんな顔が、無性に見たくてたまらなくなった。
「……用など、いらんだろう。」
『え?』
掠れたリョーマの声は弦一郎に聞き取られることなく、彼は壁に背を預けきって漫然と語った。
「用がなくても構わないと言ったんだ。それに、俺も…。」
けれど言葉はそこで止まった。声を出したせいで思考の海から引き上げられた意識がはっと目を覚ましていた。今、大胆なことを言おうとしていなかったか。完璧に正気に戻ってしまうと顔が熱くなってしまって弦一郎はぐうの音も出ない。そしてまた沈黙がふたりの間に横たわろうとし始めたとき、リョーマの搾り出すような声がかすかに耳へ届いた。
『いつ…。』
「うん?」
『いつ、空いてんの。』
消え入りそうなのに、泣いてでもいるのかと思うほど熱っぽい声がどれだけ彼女が必死でものを言っているか教えた。恥を忍んでいるのは何も自分ばかりではないのだ。そんなことに気がつくともっと、違う何かで顔が熱くなった。しかしリョーマが堪えているなら自分だって堪えるしかない。弦一郎は壁に立てかけたままの鞄に近寄って、ファイルをひとつ取り出し、開いた。その中に挟んだ部活の予定表をしばらく指でなぞっていると、彼はやっと見つけた空欄にほっとして声を出した。
「次の、土曜は午前練習だけなんだが…。」
リョーマはすぐに返事をしなかった。次の土曜、と呟きながら彼女も机に近寄って乱雑に置いたプリントから一枚を引き抜こうとした。が、それごと一気に床にぶちまけてしまい、思わず「あ」と声を上げた。けれどもそれはプリントをばらまいたせいではなかった。今しがた、足元をふわふわしたものがすり抜けた。それは宙を舞い、床をすべる白い紙に飛び込み、じゃれ始める。そしてその内の一枚が盗まれた。
「こら!カルピン駄目だってば、ちょっと!」
弦一郎は携帯を耳から遠ざけた。というのもさっきからドタバタと暴れるような音とか、ガサガサいう紙の音とか変な鳴き声とか、リョーマのイライラして何かを諌める声とか、そんなものしか聞こえてこないためである。どうやら随分と取り込んでいるようなので、しばらく放置していたら最後に潰れたような鳴き声と「取った」というひどく息の上がったリョーマの勝ち誇った声がした。改めて携帯を耳元に当てた弦一郎は、ゆっくり尋ねた。
「…大丈夫か?」
『ああ…うん、何でも、ないよ。』
ぜえぜえ言いながらの返答だからとても大丈夫そうではないが、次の土曜だったよね、と続けたリョーマは程なくして嬉しそうな声で話した。
「なら大丈夫。こっちも午前練習だけだから。」
そうか、と言った弦一郎の声も心なしか上ずった。どうにか会えそうだと分かった瞬間、ふっと体全部が軽くなったような気さえした。それが前とは大違いであることに気がつくとまたよく分からない恥ずかしさに弦一郎は苛まれたが、やはり彼にお構いなく、弾んだ息のままリョーマは喋った。
『ねえ、だったら俺がそっち行ってもいい?』
ヨコハマ見たい、観覧車乗りたい。随分気ままで子供っぽい理由をリョーマが並びたてるので呆気にとられたが、弦一郎が了承するとリョーマは一際嬉しそうに、けれど控えめに笑った。
『じゃあまた立海大まで行くよ。』
と言って彼女が電話を切ろうとするので弦一郎は大声を上げ、慌てて制止した。
「よ、よせ!やめろ、学校には来るな!」
『……声、デカいよ……。』
また指摘されて弦一郎は片手間に謝ったが、リョーマが学校に来ることだけは断固拒否し続けた。何故なら次に彼女が部員に見つかったら、そのときこそ弦一郎がただでは済まないのだ。リョーマとのことはプライベートもいいところなのに、それにも関わらずリョーマが立海大に来て以来、部員はそのことばかり気にしていて、ことあるごとに弦一郎に彼女のことを聞いてくる。そんな精神的苦痛をこれ以上増やしてほしくない。その懇願にこめた思いの丈を感じたのか、リョーマは気おされた様子でうん、と言った。
『じゃあ駅で待ってるから迎えに来てよ。』
「…分かった。」
弦一郎が安堵の息をもらすと、ほんのちょっと震えた声でリョーマが告げた。
『じゃあ、また、土曜に。』
「ああ、またな。」
その日で一番嬉しそうに頷いたリョーマの声を最後に、電話は切れた。

「『またな』、…だって。」
リョーマはベッドで仰向けになったまま、さっき悪戯をしてくれた愛猫を抱き上げた。
電話の声は離れているのに相手の声は近いから矛盾の不思議がいっぱいだ。だから夢見心地のような気分で話してしまったし、実際彼の言ってくれたことが全部夢のように甘く思えて、飲み込んだものが胸の辺りを心地よく気だるくさせていた。起き上がって猫を膝の上に乗せたら気まぐれでどこかへ行ってしまったけれど、代わりに枕を引っつかんだリョーマはそれをぎゅうぎゅう抱きしめた。らしくない、が、大声を上げて笑いたいような今すぐ暴れたいような気分だ。そんな衝動を招くぱちぱち弾け飛ぶ何かが体中、指先にいたるまであった。
「あー、もう!」
得体の知れない感動に興奮してリョーマは枕を投げた。それは対岸の机に当たって床に落ち、またプリントを散らかしたが、気付かずリョーマはまた投げようと枕を拾いに立ち上がった。そういうプリントの海でやった愚行の結果、越前家の一階で洗い物をしていたリョーマの母である倫子と、同じくリョーマの従姉である菜々子は天井がびりびりいうほどの落下音に襲われた。
「なに、地震?」
「リョーマさんの部屋からじゃありません?」
「あの子なに部屋で暴れてるのかしら。」
顔を見合わせ、倫子と菜々子はきょとんとして、お互い首を傾げた。決して激しい気性の子ではないのに、と不思議だった。
その頃、トドメと言わんばかりに腹の上に飛び乗ったカルピンをリョーマは見つめていた。後頭部が鈍く痛み、背中は強かに打ちつけたのでひりひりとしていた。
「…ちょっと真面目にプリント片付けよう…。」
床にひっくり返ったままリョーマはぽそっと呟いた。


――――――
長くてすみません。
たかがデートまでこぎつけるのが大変だった…。



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