満月と新月 | ナノ
満月と新月



喧騒の後に快楽



ユーリ達と別れ、ベティはユニオン本部へと戻ってきていた。

向かうはドンの所だ。
ドンの部屋に入ると、レイヴンと話をしている所だった。

「ベティちゃんじゃない、ライヴお疲れ様」

レイヴンが片手をあげてこちらを見た。
「あら、ありがとぉ」
ベティはニコリと笑った。

「おめえまたでかけるのか?」

ドンがベティに言った。

「ちょっと気になることがあってねん、また暫く戻らないってばぁ」

「そうか、気をつけろよ。バルボスの件、これで完全にカタがついたともおもえねえんだよ」

「そぉねん…」
ベティは難しい顔をした。

「あとな、ラゴウの件なんだが……降格はあるが、お咎め無しで評議会にも、残るらしい」

「はぁ!?」
ベティが目を見開いた。
瞳には怒りが滲んでいる。

「貴族のための帝国らしいわ」

レイヴンも肩を竦める。

「ベティは色々と駆け回ってたからな、納得もいかねえだろうが……」

「ほんと、くだらないわ。騎士団も、評議会も」

ベティは拳を握りしめた。



ドンの部屋を後にしたベティは、扉を閉めて唇を噛んだ。

「………はぁ」

ベティは自分の部屋に戻ろうと歩き出した。

「ベティ!ちょっといいかな?」

後ろから声をかけられ、振り返った。
「フレン……その隊服!隊長になったの?」
「ああ、本日付けで正式に辞令が出たよ」

フレンの隊服は、小隊長の時とは違い、青と白を基調とした豪華なものに変わっていた。
フレンによく似合っている。

「おめでとぉ」
ベティが嬉しそうに笑う。
「ありがとう。少し話せないかい?」
フレンが優しく笑う。

「ここじゃ、なんだから私の部屋にいきましょん」
ベティも笑った。



ベティの部屋はユニオン本部の建物の中にある。

二階に上がり、渡り廊下を越えた、奥まったところに彼女の部屋がある。
ユニオンに出入りするギルドの面々も、ここまでは来ない。

ベティが鍵を開ける。

「まさかユニオンの中に君の家があるなんて…」

フレンは驚いているようだった。
彼女の部屋は、きちんと整頓されており、旅が多いからか、生活感が無い。
立派なキッチンと小さなテーブルにあとはベッドだけだ。
奥にひとつ扉があり、彼女は衣装部屋だと言った。


「座るとこないから、ベッドに座ってねん」

ベティはそう言って、剣と銃を入り口の棚に置くと、お茶を入れはじめた。

「ラゴウの事聞いたわぁ」

彼女がベッドの近くにテーブルを運び、お茶を置いた。

「………すまない、僕にはどうする事もできなくて」

「仕方のないことも、あるわよん」
ベティもフレンの隣に腰掛ける。
「そう…なのかな…」
「うぃ、悔しかったらもっと偉くなるしかないわねん」
ベティはフレンの頭を撫でた。

「そう…だね」

フレンはお茶を飲んだ。

「髪型、かわいいね」

フレンは優しく微笑んで、ベティのふわりと膨らんだ髪を触る。
「こっちの方が好みかしらん?」
「どちらも好きだよ。でもお化粧はしない方が好きだな…」

「この方が舞台映えするのよん」

ベティはプクッと膨れた。
フレンはふにゃりと笑った。


「あの、君がユーリと恋人同士だと、耳にしたんだけど…」

フレンは伺うようにベティを見た。

「ええ?その話、フレンにまで行ってるんだぁ」

彼女はおかしそうに笑う。
「本当なのかい?」
フレンの表情には余裕がない。
「嘘よん、しつこい男を追い払うのに、ユーリを利用しただけだってばぁ」

「そうなのか…」
「ま、ユーリもノリノリで迫ってきたけどぉ」
ベティがニヤリと笑う。

「な!まったく、どうして君は……」

フレンは少し怒っているようだ。

「ごめんね…誰かを愛するなんて、忘れたわ」

ベティは悲しそうに笑った。

「どうして、自分を大切にしないんだ!」

フレンが声を荒げる。
「安売りしてるつもりは、ないんだけどぉ」
ベティがいたずらっぽく笑った。

「それでも、もっと自分を大切にして欲しいんだ。僕が愛した人だから」

フレンは真剣な顔をする。
「相手は選んでるわよん。それに、正直に言ったら?自分だけを見て欲しいって」
ベティはフレンの頬に手をそえた。

「必ず、振り向かせるさ…」

フレンはその手をぎゅっと握った。



2人はじっと見つめ合い、どちらからともなくキスをした。

一度触れ合いすぐに離れた唇を、追いかけるようにフレンが口付ける。
舌を割り入れると、執拗にベティの舌を弄ぶ。

「ん……」

僅かに身を捩ったベティの腰をフレンが引き寄せる。

さらに深く口付け、彼女の頭を抑えた。

「んっ…んん…」

熱っぽいベティの吐息が漏れ出したので、フレンはそのまま
彼女をベッドに押し倒した。

上着に手を入れ、つっと脇腹を撫でる。唇をそのまま首筋に這わせ、耳に息を吹きかける。

「あっ!」

びくりとベティの体がしなる。

フレンが体を起こすと、鎧を外し始める。
ベティはそれをじっと見つめながら、ゆったりと体を起こした。

「ベティ?」

じっとベティに見つめられていたので、フレンが不思議そうに首を傾げた。

彼女はそのまま、自身の上着を脱ぎ、フレンの隊服も脱がせる。

いやらしく体を撫でるとフレンの体に舌を這わせる。

「はっ…」

フレンがびくりと体を震わせる。
服越しに既に大きくなっているソレを撫でながら、彼のたくましい胸を舐めまわし、下へ下へと舌を動かして行く。

そのままズボンと下着を脱がせると、がぶりと彼の膝に噛み付いて舌を動かす。

「……っ」

フレンは顔を歪める。

ベティはつっと内腿に舌を這わせ、先走りを舐めとるようにフレンの欲の先端を舐めた。
そして、そのまま押し入れるように口に含む。

「はっ…あっ…」

フレンは眉を寄せ、ベティの頭を撫でる。

彼女はゆっくりと頭を上下させながら、舌を動かす。

じゅるっ
じゅぼっ

「くっ……」

フレンのソレが、いっそう大きくなり、ベティが速度を上げた。

「あぁ…ベティ…そんなにしたら…」

フレンは表情を歪ませた。

じゅっ
じゅっぼっ

ベティはさらに激しく攻め立てる。

「あぁっ…うっ…イクよっ」

フレンからベティの口内に、ドロリとした熱が吐き出される。

「くっ……はぁ…」

フレンの呼吸は浅く、荒い。

ベティは搾り取るように舐め取り、枕元にあったティッシュに吐き出して口を拭いている。
フレンは彼女を後ろから抱きしめる。

「気持ちよかったよ」

耳元で囁くと、彼女の胸を後ろから触りながら、首筋を舐める。

「んっ…あっ」

ベティは後ろに手を延ばし、フレンの足を撫でる。

彼は、硬くなっているベティの乳首をグリグリと弄びながら、彼女の背中に下から上へとゆるく舌を這わせた。

「ふぁっ…」

彼女は思わず背中を反らせる。

フレンは、スリットから股に手を入れて、下着の中の割れ目を探る。

「随分…濡れているよ…」

耳元でそう囁くと、ぐっと中へと指を入れた。

「ああっ…フレンっ!」

ベティの中は既にグズグズで、指を動かせば物欲しげに吸い付いてくる。

「ノール港で僕とシてから、誰ともシてないの?」

フレンは同時に胸へも刺激を与え続ける。

「し…てな…あっ…いっ…」

ベティは腰をくねらせる。

「歌っているときの君、すごく魅力的だったよ…みんな君に惹きつけられていた。ヨーデル殿下さえも…」

フレンはベティを押し倒し、スカートと下着を脱がせていく。

「いつも魅力的って言って欲しいわ」

ベティがフレンの髪に触れた。

「もちろんだよ、それに…そんな君が、今僕に感じていて嬉しいな」

フレンがにこりと笑って、彼女の足をぐっと開かせると、濡れているソコに舌を這わせた。

「ああっ…はぁんっ……きもちぃ…」

ベティの腰が艶めかしく動く。

「お願い…いれてぇ……」

彼女は懇願する。瞳は色っぽく潤んでいる。

「まだ、だめだよ…」

フレンはさらに激しくソコを舐める。

時折吸い付いたり、かぶりついたりしながら、刺激し続ける。中からはどんどん愛液が溢れてくる。

「んっ!イクっ!」

ベティはぎゅっとシーツを掴んだ。

「ああ!もっとぉ…!いやあぁぁぁ!」

ベティは仰け反り、ビクビクと体を震わせた。

「ベティ……もっと乱してあげるよ…」

フレンは熱っぽく潤んだ瞳でベティをみる。
彼女は生理的な涙を流していて、いやに艶っぽい。

そのまま自身をあてがうと、遠慮なく奥へと打ち付けた。

「あぁぁぁぁぁっ…!」

ベティがフレンの腕をぎゅっとつかんだ。

遠慮なく奥を突いてくるソレを、ぎゅうぎゅうと締め付ける。

「ベティ力抜いて…そんなに締め付けられたら、僕もすぐにイってしまうよ」

「む…り…!ふ…れん…余裕…ありすぎっ」

ベティは眉をしかめる。

「そんなことないよ」

フレンはぎゅっとベティを抱きしめた。

首筋に噛みつき、また激しく腰を揺らす。

「あっだめっ…イクっ!」
「いいよ…気持ちよくなって…」

囁くようなフレンの言葉がベティの思考を奪う。

「んんっ…!あぁっきもちっ!ふあぁぁぁぁ!」

ベティの中はビクビクと震え、フレンのソレを飲み込むように動いた。

「僕もイクよっ!」

フレンは彼女の足を持ち上げ、激しく動く。

「あっ!ああっ!いやっ…あぁ!」

ベティはイッたのにすぐ攻め立てられ、快楽に腰を揺らす。

フレンは素早く自身を引き抜く。
それをベティが手でしごいた。

「うっ…」

フレンが顔をゆがませると、先端から白いモノがベティの腹部に飛び散る。
ねちねちと、嫌らしい音をさせて、彼女は手を離した。

2人の荒い呼吸は部屋を満たしていく。

フレンは彼女に吐き出した欲を拭き取り、ベティをぎゅっと抱きしめた。


「名残惜しいが、駐屯地にもどらなければ…」

「いつでも会えるじゃん、大丈夫。頑張ってねん」
ベティはフレンを抱きしめ返した。


[←前]| [次→]
しおりを挟む