満月と新月
ワンダーシェフ
「ワンダーシェフってさあ、同じ人なのかな?」
「………は?」
リタはカロルを睨む。
「えっいや……いろんな所に居るしさ…」
「ていうより、あんなことしてて意味あるのかしらねん?」
「あ、ベティもそう思う?レシピ教えてくれるのは嬉しいけど、いいのかなって」
「別に好きやってんだから、ほっといてやんなさいよ。だいたいいっつも変な置物に化けてるくらいだから、変わってんのよ」
「リタってば結構ワンダーシェフのことバカにしてなぁい?タダでレシピ貰って助かってるのにぃ」
「でも、タダほど高いものは無いって言うわよね」
「え?どういう意味?」
「あんたバカ?」
「そっそんな……」
「まぁまぁ、でもすごい人なんだと思うわよん?」
「1人で世界中飛び回ってるんだろうしね。ああ見えて、ものすごく強いのかも」
「じゃあ、機嫌でもそこねて敵に回したら大変かもしれないわねぇん」
「ガキんちょが真っ先にやられるわね」
「なんでボクなんだよぉ……」