ここは山藤団の集会所、
今日はとても静かで平和である。
「漣雫だせやァァ!!!」
とてもうるさい声が真選組の屯所中に響いた。
「・・・ユカ!?」
「「何〜?しずくの知り合い〜?」」
詩音と利音が愉快そうに言った。
「誰誰?彼氏?」
「お姉、それはないです。」
苓花のボケに妹の聖花がツッコんだ。
「あれ?ユカさんじゃないですか」
「こんにちは」
和音と慧が『ユカ』と呼ばれる少女に挨拶をした。
「お、和音さんに慧さんか・・・って、そうじゃないッ!!しずく!道場に戻ってきてよ!
・・・ゴリラが・・・大変なんだ・・・」
「えッ・・・ゴリラが?」
「「「・・・ゴリラァ!?」」」
「久音さんのことじゃない?」
"ゴリラ"に過剰反応する詩音、利音、苓花。
3人にいきなりでてきた要が言った。
「「「あぁ〜」」」
「ゴリラはいいけどあの子達行っちゃいましたよ」
要と共に出てきた数葉の声に庭を見るとしずくとユカは既にいない。
詩音と利音と苓花が納得している間にしずくとユカは走って逃げていったのだ。
「「あ〜!しずく〜!!!」
詩音と利音が恋しそうに言った。
「それよりなんで2人はあの『ユカ』って人知ってたの?」
「私も知ってます、『夢星道場』の師範の音川優花さんなのです。」
「そーいや姉さん達この間の交流試合サボってたもんなあ・・・」
「だからちゃんと行こうって言ったんだよ、まったく。要さんと数葉くんもですよ・・・」
和音が凄いオーラを発しながら言うのに対して、
「まっ、いーじゃんいーじゃん?」
「あのユカの正体もわかったし?」
「道場の場所もわかるんでしょ?」
「交流だってできるじゃん?」
「そんなに怒るとシワ増えるぞ」
5人はお気楽にこたえる。
「あ〜もう・・・そこじゃないし・・・」
「とりあえず、落ち着きましょう」
「そうですよ」
和音のつぶやきもむなしく、聖花と慧の提案が通った。
* * *
「あ、詩音ちゃん達に言ってくるの忘れてた・・・ちょっと言ってくるね」
「あッ、ちょっ!しずく!!」
しずくが山藤団に走っていくので、仕方なくユカもしずくの後を追った。
* * *
「あれ?しずく達帰ってきた」
苓花が指をさす方向にはしずくとユカがいた。
しずくが
「私ちょっと出かけてきますね」
と言うのをさえぎって詩音が言った。
「ユカ!しずくを連れて行きたいんだったらこの和音に勝ってからいきなよ」
「なっ、なんで僕!?」
「・・・面白いから・・・かね?」
「数葉くんはだまっててよッ!」
「何コントしてるんだ・・・?というかユカとかなれなれしいな・・・」
「だって君僕より年下だし〜小さいし〜」
「なッ、ちっちゃいっていうな!!」
ユカが苛立っているのに気づいて利音が言った。
「んで?どうするの?ユカちゃん?」
「だあぁ!ちゃん付けで呼ぶな!望むとこですよ、やってやりますよ!!」
これでユカと和音の戦いが始まることになった。
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2007.11.12
(2007.06.13)
蒼希