七夕/露伴
 星が綺麗に見える。彼女の誘い文句はそれだけだった。
「君の言うとおりだったな」
 彼女はよく動く眉を下げて苦く笑った。
「七夕は雨が降りやすい。こんな日に逢い引きするのも酔狂だよな」
 雨音が車の中を反響する。
「昼は晴れてたから、期待したんですけどねえ」
 花火まで買ったのにと彼女は肩を落とした。口元だけ笑みのかたちを保っている。
「隣に行っていいですか」
「わざわざ聞かずに黙ってくればいいだろ」



これ、車内らしいよ!
[ 12/15 ]
[*prev] [next#] [mokuji]
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -