カラスさん
 姉が珍しく実家に帰ってきた。夫が仕事で一週間近く主張するとかで。
「あんた、おかしいわよ」
「何が」
 俺は姪を膝に乗せてタブレットで適当に幼児向けの動画を見せていた。たまに予期せぬ動きをするのは見ていてはらはらする。
「なまえに構ってくれるのはいいけど、世話焼きすぎじゃない? 助かるけど」
「小さい子ってかわいいだろ」
「ならいいけど」
 姉のじとっとした視線は居心地がわるい。姉は俺のヘキを知らないはず。断じて姪はヘキの対象にしていない。ただ身近に幼女がいる環境、なんて幸せなんだ、くらいには思っている。
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