ある日/ガイア
 記憶違いでなければ、体育館の裏ではじめて出会った。俯いていたから、ぱっと視界に入った人間に驚いてしまった。靴を見ていいところのひとなんだと思った。視線を徐々に上げると、数年前に廃止になった制服に似たブレザーを羽織って、ブラウスのボタンを二つも開けている。右手の指先に煙草を持っていた。退学予備軍だった。日陰に私の影が差し込んだ。視線が合ったから、そっと微笑んで、早々ここを離れる算段をつけはじめる。
 ガイアという名前だった気がする。学年はひとつ下。気がする、というのは嘘だ。生徒会長の弟を知らないはずがない。関わり合っていいことがない。知らないふりをすることもできない。
「お前は」
「なまえ」
 ブレザーの内ポケットを探っても目当てのものがなかった。
「火貸して」
 右の手を差し出して、反対の手で煙草のケースを出した。とんとんとん、とたたいてもうまく煙草が滑り出さなかったことに小さな苛立ちを覚えてケースから数ミリ浮き出たフィルターを軽く噛んで引き出した。葉っぱの詰めが甘かった。ライターの重みが手に加わった。ジッポーライターではなくごてごての装飾のついたガスライターだった。蓋を開けて、火をつけようとするがスイッチが重い。みかねた彼が私の手からライターを取った。カチリときれいな音が鳴る。
「ありがと」
「どういたしまして」
「重いの吸うんだね」
「まあな。あの先公のクラスは抜けたら怒られるんじゃないのか」
「え......? ああ。私体調不良だから。あの先生、あなたのお兄さんにしかばっかり当てて、他の生徒のことを前ほど気にしなくなったんだよ」


筆がのらない

生徒会長選で負けた立候補者の元カノである夢主
喫煙所つくってくれないって言うから別れたとかテキトーなことを言う
色々拗れる
ライターくれるガイア
この続きは兄に喫煙がバレて煙草禁止令が出るガイアさんと、そんなガイアさんに煙草を横流し+香水を貸す夢主
そしてさらにそれがバレてディルックさんに夢主が怒られる
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