なんかひどい話なので注意
離婚なんてたいして珍しいものじゃない。事実、うちの両親も離婚してるわけだし。一昔前には結婚は人生の墓場だとかなんだとかよく聞いたし。結婚のなにがいいのかわからない。両親がなぜ俺を産んだのかだってよくわからない。ただ、セックスしたかっただけなんじゃないのだろうか。なら、なぜいろいろと面倒な男女でそれを行うのだろうか。
同性のほうが、いろいろと面倒が省けていいじゃないか。
「ねー吉良くん、お水ちょうだい。」
「どーぞ。」
「ありがとう。」
こくんっと手渡したペットボトルの中に入った水を一口飲むと、んと俺に手渡された。
「…ありがとう。」
「いーえ、だって吉良くんも喉からからでしょ?」
「まぁ。」
ピピピ、着信音が遠慮なしにピロートークに割り込んでくる。俺は基本バイブだからこれは俺のじゃない。
「はーい、もしもし。あ、ΟΟちゃん?今はねぇちょっと行けないかな?また後で連絡するよ、うん。………もちろん、僕も大好きさっ。」
さっきまで、未開封だったペットボトルの中身は、飲み干されて俺の手の中でペチャンコになった。
「全部飲んじゃったの?」
「うん。」
そう聞くから素直に答えると、中学生みたいだよねと訳のわからないことを言って彼は微笑んだ。
「それより、また女?」
「まぁね、僕の生き甲斐だし。」
「そりゃいいけど、変な病気とか感染(うつ)さないでよね。」
「わかってるってばっ。ちゃーんとゴムしてるし。」
はぁ、呆れて俺はため息を吐く。離婚がきっかけで、母親と二人きりで暮らすことに今のいままでなった俺と、子供の頃から水商売ずめの母親と二人暮らしだった彼。似ているような、似ていないような、微妙な二人の境遇。そんな彼と俺は、価値観が似ているような似ていないような、とにかく女好きの彼は性的ネットワークが大きいに違いない。俺がしっかり彼一筋で、予防やらコンドームやらと使用しているのにとうの彼がだらしなければ俺の努力は水の泡である。
「あのね、ゴムしてたら安心って訳でもないんだよ。」
「うわー、ひっどいなぁー。それって僕に他の女の子たちとえっちしちゃだめって言ってるのぉ?」
「そんなんじゃないよ。」
どうして、セックスフレンドを縛る必要がある。それこそただの恋愛ごっこだ。そんなのは、ごめんだ。彼はかわっている。俺にこうして散々掘られたあとにホイホイと女を掘りに行く。別に、俺だって女が嫌なわけじゃない。部屋にあるDVD、雑誌だってすべて色気のある女性がメインのモノばかりだ。しっかり、勃起だってする。液晶や紙やらティッシュペーパーやら、右手とだってしっかり仲良しだ。
ただ、責任問題やら世間たい、モラルそんなのが面倒なだけだ。いや確かに、そんなことを言っている時点で男を抱いているのだってどうなんだと思われるかもしれない。でも、こっちの方がリスクやらなんやらが低いじゃないか。非生産的な性生活、なんて楽なんだ。最高じゃないか。
「ねーぇ、吉良くん。もう一回……しよ。」
「いいけど、女のところ行くんじゃないの?」
ころんと俺の膝に転がり込んで、俺を見上げて猫撫で声でねだってくる。
「いーの、まだ足りないからっ。」
「腰痛めて、女のところなんて行けなくなっちゃうよ?」
見上げてくる彼を抱き上げてたずねる。そしたら彼は、
「いーの、吉良くんにはいーっぱいいじわるされたいの。」
だけど女の子には、紳士的でいたいらしい。意地悪されるのもいやで、ふわふわ優しい子が大好きだと、鼻をすりよせてくる。
「こんなに眼鏡の似合うえっちな人、吉良くん以外いないもん。」
ぱさりと乾いた唇で、キスをされる。小さく開いてるもんだからきっと入ってこいって、俺のこと待ってる。わざと舌は使わないでやろう。
「……んっ……はぁっ、ん………わかってよ、」
「わかってるよ」
乾いた唇を唾液で濡らす。口でくわえたり、舌でなめたり。
「……んっ、ちがっ……ちゅぅっ…ン、…んはっ…、中がいいの!」
ぱくり、喰われた。入ってきた舌は舌で乾いてて、俺の舌と絡ませようとして必死に俺の舌を追いかける。しまいには、肩をおして引き離す、いい反応されるものだからつい。
「………はっく、…いやぁっ…口のなかいっぱいにしてよぉっ……吉良くんのばかぁっ…、」
「……ぐっ、」
したを握られて声があがる。してもらえなくて、気持ち良さそうな顔してるくせにしないとイかせないなんて、俺の勃起したちんこ握ってねだってる。本当に、MもSも持ってて、彼はかわってる。
こんなにも、すぐにでもイキそうな顔して。俺の眼鏡がくもるのもお構いなしだ。涎までたらしてやらしい顔。
「俺がイけなきゃ、イかせてあげないっ。」
泣きそうな、嬉しそうな顔して士郎くんは本当にいい顔してる。俺がほっといてもイっちゃいそうに。
士郎くんの股やら太股は、液状化した俺のが垂れてぐちょぐちょだ。これで妊娠しないんだから、俺の欲情もシ放題って話だよね。