How about talking over a cup of tea? *02/10 15:52


訳は「お茶でも飲みながら話でもしようじゃないか」
ちなみに文法に自信はない

くるたん宅のマルテロさんと拙宅ギルティのはなし
ただ会話してるだけのはなし


お子さまお借りしますた(´ω`*)





「おとぎ話でもしようか」
 洋装に似合わぬ緑茶を啜りながら、マルテロは目を丸くした。僕の話の切り出し方、おかしかったかな。
「どんな物語だ?」
「そうだね、蛇の甘言に騙されて神を裏切った男女の話とかどう?」
「それは、おとぎ話とは程遠いな」
「子供には向いてないね。それじゃあ、好奇心から夫に開けてはならないと云われた部屋を開けた妻はどうなったと思う?」
「それは、罰せられるだろうな。それ以前に、どんな読書遍歴を辿ったらそんなものばかり思い付くんだ、ギルティ?」
「聖書とグリム童話じゃないか。他にも知ってるさ、『赤頭巾』に『白雪姫』、それから『青髭』なんかも。さっきの答えは、夫が妻を殺して隠し部屋に吊しておく」
 ちなみに隠し部屋には夫の妻となった女が様々な死因でもって亡くなったあと吊された。
「それが『青髭』だろう?」
「あれ、知ってたの」
「話を聞いたら思い出した。結局、青髭は七番目の妻の兄によって倒される。好奇心は思わぬ危険を引き起こす、そういう戒めの話……だったな」
「童話だからね。戒めは必要さ」
 それから緑茶がなくなるまで、童話云々の話を飛躍して自分たちの境遇へと至った。

「マルテロ、君は生前の記憶がないんだろう?」
「ああ、もしあるのなら頭の中がこんがらがりそうだ」
 人造人間、その枠組みの中で様々な個体があるように。近いようで遠い距離を自覚する。
 目の前でカステラを掴んでかじる彼は話に聞くところ複数の死体の肢体でできている。対して僕は傷痕だらけの死体だが生前と同じ躰。少しだけ彼を羨ましいと思いながら金平糖を舌の上で溶かした。
「君は幸せだ」
「なぜそう思う?」
「いずれ判るさ」
 彼はそれ以上言及せずにまたカステラをかじった。
 それがとても美味しそうに見えて僕も口に入れてみた。食べ方はパンのように小さく千切って。

 口の中に広がったのは、しっとりとした食感だけだった。


―――――――――――――

生前が云々とまた語り出すと長ったらしくなるので打ち切りました
マルテロさんの口調やら性格やらはこんなんでいいのか、な?
なるべく堅く堅くを目指しました

ギルティがマルテロさんを羨ましいと思うのは生前の記憶に囚われなくて済むから
ことあるごとに後悔してますからこのヘタレは

しかしながら、書き終えてみると黙々とカステラをもぐもぐするマルテロさん可愛いな(´ω`*)





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