饅頭怖い *01/09 21:56


有名な落語のあれと似て非なるはなしで、ウルさんと若

ウルさんが餅が好物だと知ったので
というか作者の地元で餅つき大会あったので←





 色とりどりの皿に彩られた湯気の立ち上るしろくてまるい小さな炭水化物の固まりが食卓に所狭しと置かれていたのを見て思わず僕は厨房に少しだけ首を突っ込む。もしかしたら藤色の料理人がまた試作しているかもしれない。
 しかし、僕の予想は大きく弧を描いて逸れた。

「ウルじゃないか、どうしたの厨房なんかいて」
「我が主こそ。いかがなさいましたか」
「あなたがつくるものが気になってね」
「餅、です。我が主もいかがでしょう?」
「いや、僕はいいや。ウルが食べなよ」
「もしや、苦手……でしたか?」
「苦手じゃないよ」
「えっ?」
「むしろ怖い。だって兵器になりそうじゃない」
「兵器、ですか?」
「『鳥もち』とかいうじゃない? 一度ついたら離れないような。それからすぐに食べないと固まるよね。あと電子レンジ通用しない」
「最後の一言は関係ない気が……」
「分かったじゃあフライパン通用しない」
「…………(絶句)」
「それから黴生えたらお陀仏。発酵もできないよね」
「……美味しいのに」
「味付けすればね」
「食べたことあるのですか?」
「なかったら話してないよ」
「……申し訳ございません」
「分かればいいよ。そうだ、喉つまることもあるって聞いた」
「言ってる側から口に運んでおりますが、我が主」
「怖いものは克服すべきだよね。この醤油のおいしい、ふふふ」
「ご冗談でしたか」
「僕好き嫌い皆無だからね、覚えておいて」
「かしこまりました」


 結局皿一枚分食べてしまった。今度は種類増やしてビュッフェみたいにしようかと言えば少しだけ目を輝かせていたのは気のせいかな?






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