おはよう [ 28/50 ]


気が付くと、ハルアは見慣れた部屋にぽつんと立っていた。
ぎょっとして身構えたが、そこでハルアは寝惚けていたのだと気が付いた。
ベタな手段だが、頬をつねってみると、思った通り目がいっきに覚めるほどに痛かった。

思い返すと、こんな起き方をしたのはその日で4日目。
なにか夢を見ていたような気がしないでもないが、どの日も思い出すことはできなかった。

悲しかったような、嬉しくて優しかったような。

なぜだか自分が泣いているような気がして目元を拭ったが、そこに涙は無い。
訳が分からずにもそもそと着替え始めて、仕上げにネクタイをしめる。

今ハルアに分かることは、ただ無性に誰かに自分の名前を呼んでほしいということだけだった。


夢で逢えたなら-朝



あとがき
しんみりしんみり。
なんだかコメディの書き方を忘れてきたような気がします。
過去に救いを求めるのはお門違いでも、まあ夢なら大目に見ても良いかなあ、と。
…あああ、なんだかあとがきまでしんみりしている…!!
管理人:銘


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