復讐なのさ [ 7/94 ]

あーエロいエロい。
今日もなんなんだあの人は。

「エルコさん」

「・・・チアキ、もしかして俺のことかよい」

「エロいとマルコさんをかけました」

「何にも上手いこと言えてないよい」

そんな呆れた顔せんでもいいじゃないですか!
これだから冗談の通じないおっさんは!!
痛い痛い頭ぐりぐりしないで!

「で?誰がエロいって?」

「あだだだだ、マ、マルコさんが!あだだだだだ!!」

だってだって。
大人のフェロモンまきちらかしやがって!
シャツのボタン全開にしやがって!
しかも半袖か!
下も七分だし、サンダルかっこいいし!

なんだあんたは!私をどうしたいんだ!

「とりあえずはこの頭かち割りたいねい」

「ぎゃあああああ、あだだだだだだ!!」

「俺がそうだってんなら、エースはどうなるんだよい」

あいつほぼ半裸だもんねえ。
でもでも!違うの!エースは違うんだよ!

「エースのは『え?着なくていいじゃん』みたいな非常識さが垣間見えます」

「ああ、一理あるよい」

そうでしょう!そう思うでしょう!?
エースには悪い、ような気がしないでも無いけど、マルコさんみたいな大人さが足りないんだねきっと。
そもそも大人はあんな格好しないんだろうね。残念だねエース。
それに比べてマルコさんと来たら。

まあだらっとした服装ではあるけど、そこがまた!
いつもなんだか気だるげな雰囲気なのに、時々くしゃっと笑うんだ。
おっさんのくせに、子供みたいに。ホントに時々だけどね。
あれは実に心臓に悪い。
前見たときは血流が逆流するかと思った。

ああ!こんなにも一生懸命説明してるのに!!

「あだだだだだだ!!割れます出ます弾けます!」

「ああ、おっさんなもんで力加減ができなくてねい」

「すんません!エロいとかおっさんとか言ってすいません!」

「今日は理解が早いじゃねえかよい」

「本人にはつらい事実つきつけてすいません!」

「・・・おっと手が」

ぎゅっ!
「!!!!」

わあああああエルコさ、マルコさんどうした!!
う、腕が私の背中にまわってますよマルコさん!
顔がめちゃくちゃ近いですよマルコさん!身長差あって良かった!

「ああ、チアキが変なこと言うもんだから」

「あ、ああああのマルコさん」

「そういう気になっちまったよい」

「え、ぎゃ、お、おおお?」

「チアキ」

ちょっと反省して来いよい。あっちの世界で。
ばっきん!!


照れじゃない。ただの復讐なのさ。


「(ちーん)」
「マルコ、女にサバ折りはさすがに」
「エース、お前も向こうに行くかい?」
「あれはチアキが悪かったよなー!」
「まったく面倒なガキだよい」
「(そう言ってちゃんと部屋に連れて行くんだもんなあ)」



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