仲良し学級 [ 18/94 ]
※まさかの小学生設定。
「スパン先生トイレー」
「チアキ、俺はスパンでもねえしトイレでもねえぞ」
カティ・フラムの野郎より質悪いな!とか言われても。
聞いたことあるよその人。
ここの卒業生で、6年の時に担任になったスパン先生に襲い掛かって顔面へこませたんでしょ?やるうー。
「長官、ワシもトイレー」
「カク、長官じゃなくて先生って呼べって言ってるだろうが!」
「長官、俺もトイレに」
「ルッチ、お前もかよ・・・!」
なになに。
皆で連れションするの?マジか。
でも私だけ女子トイレだからなんか寂しいかも。
「チアキの付き添いで私も行きます」
「いやいや意味分かんねえからな!」
「セクハラです」
「トイレネタだから!?」
うわ、そう言われればセクハラじゃん。
先生が女子のトイレ事情に首つっこんだらそりゃセクハラだよー。
残念残念、センゴク校長に怒られちゃうねきっと。
ばいばいスパン先生―。
「ばいばい先生、その顔は忘れたくても忘れられないね」
「いやだから何が!?」
「おいチアキ、さっさと行くぞばかやろう」
「うん。行こカリファ、カク」
私の腕を握って歩くルッチに、ばかって言う奴がばからしいよ、そうなの?って聞いたら、ちっちゃくゴメンって返って来た。
分かれば良いんだよ分かれば。
ちゃんと戻って来いよ!?って叫ぶスパン先生はおいといて、よーしトイレトイレ。
「さて、どこに行こうかのう!」
「屋上はどうだ」
「あそこは鍵がかかってるわ。とりあえず歩きましょ」
え、え、え?
どこ行くの。トイレは?
屋上にトイレあるの?
私の右腕はルッチが掴んだままで、左手はカリファとつないでる。
カクはカリファのもう片方の手でつないで、4人で仲良くとことこ。
カリファの手は私よりつやつやしてて気持ちいい。その上私より指がちょっと長い。
良いなあ。私もカリファみたいな手になりたい。
「中庭の倉庫の裏なら見付からんじゃろ!」
ああ違った違った。
手じゃなくてトイレトイレ。
中庭の倉庫の裏?
「野良犬みたい(トイレ的な意味で)」
「ばかやろう、猫のように自由なんだよ(行動的な意味で)」
「ばかって言う奴がばからしいよ」
「・・・ゴメン」
猫のように自由って何。
・・・外でするの?
そうなったら犬も猫も一緒じゃんか。
「!ブルーノだ、隠れろ」
事務員のブルーノさんが扉を開けて出てきたもんだから、4人で置いてあった大きな段ボールの影に隠れる。
ルッチ、痛いから押さないでよ。私のほっぺたぎゅうぎゅう触っても何にもならないよ。
「なんか冒険みたいだね」
「ならワシは勇者じゃ」
「ふん、俺が勇者でお前は商人だ」
「仲間ですらないのう!」
「もう、静かにしないと見付かるわ」
さっきみたいに4人で手をつないで、目指すは中庭の倉庫の裏。
あ、でもそこじゃあ私トイレは嫌だなあ。
って言うかダメじゃないのかな。
カリファに、ダメじゃない?って聞いたら、不思議そうな顔で何が?だって。
なんだろう。カリファはそういうのが良いのかな。
なら私も頑張ろうかな。
「こら、何してんの」
「「「「!!!」」」」
せっかくの冒険も、いっつもダラダラしてるクザン先生に見付かっておしまい。
あーあ、つまんないの。
カクが、指銃!ってクザン先生に向かって行ったけど、突き指しちゃって泣いてた。
指銃ってあれだよね。チョッパーマンに出てくる悪役の技だよね。
ルッチも指銃!ってやったけど、やっぱり突き指して痛そうだった。
皆、そんなことより早くトイレ行こうよ。
仲良しこよしで学級崩壊
「あららら、チアキちゃんどうしたの」
「・・・トイレ」
「ええ!?チアキ本当にトイレじゃったんか!?」
「お前早く言えよ・・・!」
「ルッチセクハラよ。さ、行きましょ」
「「俺(ワシ)も・・・」」
「はいお前らはストップー」
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