てるてるホーキンス海賊団 [ 91/94 ]
*雨の日のホーキンス海賊団
「はー、雨うぜー」
「もう3日間振りっ放しだしな。ホーキンス船長が言うにはあと2日は降るってさ」
「マジか…。でもまあ人間界の雨って濡れても溶けたりしねえんだろ?」
「溶ける!?雨で!?何が!?魔界の雨って硫酸か何かかよ!!」
「いや、別に溶けるだけじゃなくて他にも色々と…」
「お前たち」
「ぎゃ!あ、船長お疲れ様です!」
「相変わらず無言で現れやがって…ん?アホーキンス、剣に何ぶら下げてんだ」
「さっきもらった。雨のやむ呪術の1つだそうだ」
「へー。人形の首つったら雨がやむのか。簡単だけど趣味悪いな」
「いやただのてるてる坊主だから!クナツも船長も嫌な言い方しないでくださいよ!」
「てるてる坊主って言うのか、コレ」
「なんでも、雨をやませることが出来たら鈴をやると良いらしい」
「成功報酬な上に鈴かよ!せこいな、首までつってんだからもっと良いものやれよ」
「それもそうだな。たしか金の腕輪があったから、雨がやめばそれを巻いてやろう」
「(なんかすげえ話になってる…)いやでも船長、あと2日はやまないって占いに出たんですよね?」
「ああ、そうだった。次に晴れる確率は、3日後まで20%以下だった」
「なんだよ、じゃあてるてる坊主、あんまり意味無いじゃねえか」
「いやそこはまあ、きっと気分的な問題だろ。他の奴らも雨でヒマしてるんだろうさ」
「…雨降ったらヒマって、それで良いのかよ海賊って」
「いやーあっはっはっは。まあ鍛錬は欠かさねえけどな」
「アホーキンスは雨の日何してんだ?お前も鍛錬とかしてんのか?」
「いや、今日は本を読んでいた」
「まーた呪いだとか魔術の本か?どうでも良いけど召喚系統はもう試そうとするなよ。また俺みたいなのが増える」
「………気をつけよう」
「(やるつもりだったなこいつ…)」
「いやーでも、雨の日はこう…魔術とかは雰囲気出て良いですよね!」
「違いない」
「船長、それ余所の海賊の口癖です」
「しかしお前までそんなこと言いやがって…ホントこの船はこんなんばっかだな」
「お、船長たちいたニャー!こっちで一緒にてるてる坊主作りませんかニャー?」
「参加しよう」
「おれもおれもー」
「たくさん作って並べてぶら下げときましょうニャ」
「良いな、集団首吊り。なんかもういっそ魔除けになりそうだ」
「クナツ、それだとお前が除けられてしまうぞ」
「おお、そういやそうか」
「…いや、良い機会か…試してみるか」
「てるてる坊主ごと燃やすぞこの野郎」
2013.5/11〜6/12で使用。
雨の日のホーキンス海賊団。
みんなでちまちまとてるてる坊主とか作ってると可愛いですよね。ホーキンスさんのおかげで天気は分かってるけど、それでも願掛けだ!よっしゃー!と無駄に念を込めて作るせいで、いちいち1つ1つに気合が入ってます。そして並ぶてるてる坊主の中にナチュラルに混ざる藁人形。
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