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「でも、クザンさんにいただいたものもちゃんと取ってありますよ」

「え、マジ?」

捨てたりなんてできませんもん、とへにゃりと笑う姿は、ああもうなにこれ癒される。
本当できた良い子!
知ってたけど!

「おや、ルッチどこに行くんじゃ?」

「・・・野暮用だ」

「ハルアの私物に手なんて出したら、今度こそカリファと給仕長に殺されるぞ」

「もちろん俺らも黙っちゃいねえがな」

「・・・・」

お ま え は !
今度こそって何、いつも何してくれてるのこいつ。

「ルッチはハルアを困らせてばかりじゃ!」

「黙れカク」

ちくってんじゃねーよ、と睨むルッチだが、(もちろん彼はそんなことは言わない)カクはどこ吹く風でワシはこんなに良い兄貴分なのにのう!と誇らしげである。
そこにそれなら俺はなあ、とジャブラが参戦し、いかに自分が尽くしているかの言い争いになっていく。
なんという泥仕合。そして修羅場。

「まるで愛人たちの恋人の取り合いだな」

「喧嘩は!喧嘩はダメですよー!」

「はあ、もういいや。
ね、ハルアちゃん。このまま二人でお出かけしよっか」

「クザンさん、でも」

「もしもしスパンダムちゃん聞こえてる?ちょっとハルアちゃん借りてくよ」

『え、あ、青雉殿!?今どちらに』

「よし行こっか」

電伝虫で手早く連絡を済ませ、ハルアを抱きなおして歩き出す。
さて、自転車はどこに置いたかな。
たーくさん色んなもの買ってあげなきゃな。
あの男がこの子を真っ黒に染めてしまわないように、青いものを選ぼう。
うん、それがいい。

「ハルアちゃん、俺のとお揃いのアイマスク買ってあげる」

セント・ポプラが良いかな。プッチで何か食べるのも良い。
でもそれなら海列車だな。きっと喜んでくれるだろうけど。

「クザンさん!」

「なあにー?」

海列車なら窓際に座らせてあげよう。
あ、時間はまだ大丈夫だっけか?

「また、自転車の後ろに乗せてくれますか?」

「!!」

よしきた。
全身俺色にコーディネイトしちゃおうか。

結局、一日中海の上でカモメやイルカにかえるえびせんをあげて遊んだ。
今度荷物を送ってあげよう。(もちろん中身は俺色ね)



×カボチャの馬車 ○青い自転車



「ハルア、青雉殿から荷物が来てるぞー」
「わ、何だろう」
「燃やす」
「ちょ、ルッチ様返して下さい!」
「代わりにこれを」
「ハットリさんのぬいぐるみだ!じゃなくて!!」

「(ちゃんと届いたかなあ)」


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