「いーざーやー!しねええ!!」
「いやにきまってるでしょー?だれがしねっていわれてしぬのさ。ばかじゃないの、シズちゃん!」
「コロスコロスコロス!!」

ガシャーン!と何かが割れたような音がして、それから物騒な言葉を羅列して言い争う幼い声が聞こえる。
いつもの変わることのない日常にため息が溢れてしまうのは仕方のないことだと思う。

「正臣・・」
「わかってます、門田さん。何も言わないでください」
「俺がいってやろうか?」
「いえ、大丈夫です。俺の組の子達ですから、俺が行きます」
「そうか。あんまり無理はするなよ?困ったら俺に言え」
「あはは、ありがとうございます」

凄く、凄く嫌だけれど、アイツらを止めるために席を立ち、外に向かう。
被害がこれ以上広がっていないことを願いながら。





♂♀





「きょうこそコロスッ!」
「コロスコロスってさっきからそればっかり!それしかいえないの?シズちゃんののうなし!」
「しねええええ!!」

「はーい!ストップー!」

静雄くんが今にも近くに置いてある遊具を投げそうだったので急いで間に入った。
間に入り、二人がピタリと動きを止めたのを確認すると、内心ホッと一先ず安心して二人に視線を移す。

「ダメだろー、二人とも!喧嘩なんかしたら。しかも園内の物また壊して!」

叱ると二人は「だってシズちゃんが、」「だってこいつが、」などと言い訳をし始める。大人びている二人だが、こういうところは子供っぽくて可愛いなぁ、と思う。
でも甘やかしては駄目だ。叱るときはちゃんと叱らないと!

「言い訳はしない!男の子だろー?そんな子は嫌われちゃうぞっ」
「!!」
「まさおみくんも・・?」
「先生と呼びなさい。んー、そうだなー。俺もそういう子は嫌いだなー」

そういうと、何故かいざやくんが泣きそうな表情になった。
え、ちょ、なんで?

「まさおみくん・・、俺のこと、きらい?」
「は?つかまたくん・・」
「きらい?」

うるうると目に涙を溜めて見つめてくる彼に、段々と罪悪感が込み上げてくる。

「き、嫌いじゃない、」
「ホント?」
「ホントホント!」
「よかったぁ!」

さっきの涙はどこへやら、満面の笑みを浮かべながら抱きついてるくるいざやくんをかわいいと思ってしまうのは仕方のないことだと思う、うん。

「・・っ、せんせい」
「ん?」
「おれがわるかった、ごめんなさい」

顔を下に向けたまま、ちゃんと謝ってくれたしずおくんに「今度からは園内の物壊したりしたらダメだぞ?」と笑みを浮かべて頭を撫でてやると、照れているのか、頬が赤く染まった。あー、かわいい。


「まさおみせんせい」


しばらくそのままでいると、突如誰かに話しかけられてそっちの方に顔だけ向けた。

「お、みかどくん、どうした?」
「・・だっこー」

両手をこちらに向かって広げてそう言うみかどに、少し驚いた。いつものみかどなら絶対言わない言葉だから。

「いきなりどうしたー?甘えたくなっちゃったのか?それとも構ってもらえないからセンチメンタルな気分になっちゃったー?」
「だっこー」
「・・みかどくん、スルーは先生傷ついちゃうぞ!」
「せんせー、だっこー」

先生、本当に傷ついちゃうぞ、泣いちゃうぞ、みかどくん!
だが、珍しく甘えてきてくれているみかどくんを無下にするわけにもいかず、抱きついてきてたいざやくんを退かして、みかどくんを抱き上げる。
幼児特有のこの柔らかい感触がたまらない!・・とか言ったら俺変態だな!

「みかどくんずるいー!」
「・・」
「ふたりはかどたせんせーに、だっこしてもらうといいと思います」
「ドタチンなんてイヤにきまってるでしょ!」

門田先生、可哀想に・・!

「まさおみ」
「なんだー?てかみかどくん、呼び捨てはよくない・・」

言ってる途中でみかどくんの顔が徐々に近づいてきて、ちゅ、と唇に触れるだけの可愛らしいキスをされた。

「!?」
「えへへ、まさおみせんせーにちゅうしちゃったー」

にっこりと純粋な笑みを浮かべるみかどくんに俺は何も言うことができず、子供の戯れだと思って気にしないことにした。



(みかどくんが呆けてる二人に黒い笑みを浮かべて微笑んでいたのにも気づかず)





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【山吹】の湊ちゃんへ相互お礼に捧げます!
勝手に幼稚園パロにしてごめんなさい・・!
総受けでメンバー指定もされてたのにドタチンがあまり出て、ない・・。
でも書くの凄い楽しかった!正臣にいざやくん呼びさせるのにはかなり抵抗ありましたが(笑)

改めて、相互リンクありがとうございます!
書き直し、苦情などはいつでも受け付けておりますので・・!
かなりお待たせして申し訳ありませんでしたー!



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