6月18日 23時55分

正臣の誕生日まで、後5分。
携帯を見つめて、ドキドキしながら、19日になるのを待つ。

4分、3分、2分


残り、60秒。


高鳴る鼓動を抑えて、保存メールを開いて時間を待つ。送信を押すだけなのに、とても緊張するのは、彼の誕生日だからだと思う。じゃなかったから、ここまで緊張はしない。


残り、5秒


4、3、2・・


残り1秒になった瞬間に送信ボタンを押す。
【送信完了しました】という画面が表示されて、ほっと息を吐いたのも束の間。
玄関の方から、聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきた。
あれ、携帯忘れていったのかな?でも、聞こえてくるのは外からだ。落としてたとか?

確認するためにカチャリ、と鍵を開けて少しだけ扉を開いて外を見てみる。
そこには自分の家にいるはずの、今日誕生日な幼なじみが立っていた。

「まさ、おみ・・!?」
「よぉ、帝人!」
「なんで此処に?」
「・・なんだよー。俺が来ちゃ悪いってか?」
「そうじゃなくて、なんでこの時間に・・!」

僕ん家の前にいるのか、と言葉を続けようとしたけど、正臣が人差し指を僕の唇に当てて、言葉を遮る。

「あのさ、俺今日誕生日じゃん?」
「そうだね」
「・・誕生日、一番最初に帝人に会いたいな、と思ってさ」

来ちゃった、と頬を赤く染めて笑顔で言う正臣が可愛くて、そのまま抱きしめる。
そして耳に唇を近づけて、


「正臣、誕生日おめでとう」





|



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -