甘い香りに誘われて 「帝人ってさ、あんまり匂いしないよな」 そう言って、顔を近づけて匂いを嗅いでくる正臣に、僕の鼓動はうるさいくらいに速まる。 「・・そうかな?」 「そうだって!無味無臭って感じ?」 「無味って・・味は関係ないでしょ」 途端、ペロリと正臣が頬を舐めた。生暖かい、湿ったその感触に、僕の思考は止まってしまう。 「んー、やっぱ味しねぇな」 「・・・・」 「帝人?」 「・・・・」 「おーい、みーかーどー?」 「・・」 「・・みっかっ、わっ」 顔を覗きこんでこようとする正臣の腕を掴んで、ぐいっと引っぱれば、簡単に僕の方へと倒れ込む。 倒れ込んできた正臣を抱き寄せて首筋に顔を埋めれば、甘ったるすぎない、けど甘い、優しい香りが鼻腔を擽る。 その匂いに、どきり、と胸が高鳴って、また僕の鼓動は速まる。 「み、みかど・・?」 「甘い匂いがする」 「そ、そりゃあ、香水つけてるからな!」 「ふーん。・・じゃあ、正臣は甘いのかな」 「へ、ひぁ!」 首筋を舐めれば、可愛い声が正臣の口から発せられた。 味わうように何度も舐めれば、やめて、と僕の服を掴んで制止の声をあげてくる。本当に止めてほしいなら、突き飛ばせばいいのに。 存分に味を堪能した後に吸い上げれば、正臣の白い首筋に赤い痕が一つ、くっきりと残った。 「正臣は、甘いね」 にっこり、微笑んで言うと、正臣は顔を赤く染めた。 --------- 【フレンチ75】のくーちゃんに相互お礼に捧げます! 香水ネタだったはずなのに・・香水関係なくね?あれ、おかしいな^p^ ひええ!書き直しなどはいつでも受け付けておりますので・・! ちなみに、タイトルは「甘い香りに誘(いざな)われて」と読みます。さそわれて、じゃないです、はい。 改めて、相互ありがとうございます! |