学パロ…?兼続は生徒会長みたいな

精神兼政な肉体政兼
慶兼表現あります










うつくしいおに


今までのやり方では駄目だ。時代と言えば大げさになるかもしれないが、ふさわしいと思う最善の方法をとるべく柔軟に対応してこそが統べる者と考えている。その為には犠牲は惜しまないさ。

統治者としてか、犠牲を惜しまないと言うところに食いついたのかはもう覚えていない。ここは高校だ。なにを真剣に考えている。こんな低俗者ばかり集まっていて喧嘩がたえない学舎を鎮めようと情熱をかける馬鹿がいたんだなと軽く興味を持ったのは確か。

おまえの力を借りたい。もちろん俺ができる限りで礼をしよう。何を言われても嫌だとは言わないさ。

「なら、死ねと言われたら死ぬのか?」
「そういう低俗な発想は嫌っていた、と思っていたが?」
「フン」

第一、

「第一なぜ儂に頼んだ。おまえの近くに前田とかいう男がいるだろう?あいつに頼めばよかろう」
「約束はしても、守らないタイプでな。一回はキチンと指示に従ったんだがそれ以降は腑抜けで使えなくなった。あとお前を選んだ理由だが、利が一致するならお前は俺から離れないだろう?」
「利?」
「わからないならいい」

悩ましげに歪める眉毛に色気を感じいかにこの直江兼続という人間が美男であるということを認識させられる。と、同時に騙されるなと自分を叱咤した。

前田は恩に熱い。フラフラとどのグループにも属さず好きなときに好きなことをして好きに暴れる彼をてなづけたということは直江がなんとかして前田に恩を売ったと考えるのが妥当。奴が人につくなんて事は天変地異でも起こるのではないかと言うくらい希少であるので直江はなにか前田にとってでかいことをしでかしたに違いない。それほどの恩を一日で返せるような事があるのだろうか。

「前田も手に負えないような頼み事でもしたんじゃないのか?」
「一度目は俺の言うことを聞くようにとじっくり話をして、二度目は西棟の奴らに聞く耳を持たせろといっただけだ」
「…それだけ?」
「たかが、それだけさ」

つまり前田は話を聞いただけで直江から逃げたことになる。どういうことか。キチンと閉めた制服の第一ボタンをカリカリと掻いて、言うこと聞かせるなんてあいつには簡単だとは思ったんだがな?と言ってきた。

「西の奴らは口ばっかりだからな。締めるのなんて儂でもできるわ」
「頼もしいな。加藤や立花、福島もいるのだぞ?」
「勝つための手段は選ばないからな」
「では、やってくれるか?」
「お前はなにをしてくれるのじゃ?」
「お前が望むこと、欲しいもの」
「は……?」
「くれてやる」

望むことに欲しいものなんてあっただろうか?直江はニヤリと笑った。

「慶次はなぁ、俺に気があった。体が欲しいと言ったからあげてやったのだ。一度目にな、そうしたら次から来なくなった」

なぜだろうな、理解しがたいと顔をゆがめる。

「今度はお前だ、政宗。お前も俺に気があるのだろう?この体やってもいいぞ」

こんな男のどこが良いかわからん、理解しがたいと顔をゆがめる。ほらとのばされた手が頬に触れるのが気持ち悪くなかった。近づいてくる顔は美しく、人を惑わす鬼のようだった。







直江は知っていた。慶次が政宗が自分をみるときにどこか色を含んでいたのを。扉を叩けばこちらに落ちてくるのを。束縛されるのを嫌う慶次は抱いたことで自分が知らず知らずのうちに俺に溺れていく事を先読んだのだろう。逃げ出せなくなるくらいの深みにハマるのにおそれを感じた金の獅子はしっぽを巻いて逃げていった。次は孤独な独眼竜だ。深みにはまっていくことも知らずに溺れていくに違いない。









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